【3年次ゼミ】4月15日
【3年次対象ゼミ】
今週は、「観光=植民地主義のたくらみ」の書評レジュメの報告に基づいて、ゼミの中で議論をおこないました。バリの事例を通して、「伝統文化」がけっして本質的に(永劫の過去から不変の伝承という意味での)伝統的ではないこと、しかし、そのことをもって「文化」の価値を減ずるものではなく、そもそも「文化」とは外来要素の導入や新規な改変のなかから作り上げられてきたものであることが明らかになりました。一方、文化が観光の対象となることの功罪についても議論がでました。「文化」のとらえ難さを感じてもらえれば幸いです。
次回の課題は以下のとおりです。
ベネディクト・アンダーソン『増補版 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行』(NTT出版社、1997年)の序章と第3章「国民意識の起源」
今週の議論でも取り上げられた「国民」について議論する材料になるはずです。テキストは633のドアボックスに用意しておきます。序章は4月22日、第3章は5月2日(振替日)のゼミでそれぞれ報告してください。