【古典文化論】 2月9日
【東南アジア古典文化論】
今週は、今年度最後の東南アジア古典文化論の授業です。上座仏教のパーリ語ジャータカ第537話「マハー・スタソーマ・ジャータカ」から取られたモチーフが、密教思想に基づき、ヒンドゥー教叙事詩の彩りも帯びた、東南アジア独自の新しい仏教物語に進化していく過程を検証します。ジャータカ第537話については以下の資料も参考にしてください。
1. パーリ語ジャータカ第537話MAH?-SUTASOMA-J?TAKA(スタソーマ王子本生)英語訳
2. サンスクリット語ジャータカマーラー第31話SUTASOMA-J?TAKA(スタソーマ王子本生)英語訳(ボロブドゥール寺院の浮き彫りあり)
3. 青山 亨「古代ジャワ文学におけるスタソーマの受容と変容」『東南アジア学』24(1):3-17.(1986年)(PDFによる本文あり)
期末レポートを提出してもらいました。
【お知らせ 2012年2月24日】レポートの採点が終わりました。採点後の返却を希望している受講生のレポートは633研究室のドアのボックスにいれてあります。早めに受け取りに来てください。
今学期にこれまでに提出してもらったレポート類を返却しました。1年間の受講ありがとうございました。
■今週の配付資料 スタソーマ物語の進化
seaclcul-20120209.pdf (PDF, 697KB)
【講評】 期末課題レポートの解答についてポイントを示しておきます。
- 最初にヒンドゥー教の神ヴィシュヌの乗獣としてのガルーダの説明が望まれます。次に、東南アジアの「インド化」という歴史的文脈のなかで東南アジアの大部分にかつてヒンドゥー教の影響があったことを示したうえで、インドネシアとタイのそれぞれの状況を説明することが求められます。
- まず東南アジアの「インド化」とはどのような現象であったかを具体的に述べたうえで、日本に対する中国の影響を具体的に検証することが求められます。そのうえで東南アジアと日本の状況の共通点と相違点を明らかにし、最後に回答者自身の結論を述べてください。