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【民族と民族問題の諸相】 11月30日

【リレー講義】

リレー講義『民族と民族問題の諸相』「インドネシア」の第3回を担当しました。インドネシアについての最後の回である今週は、国民国家インドネシアにおける外来少数民族である華人の位置をとりあげました。受講生は236人でした。

■2011年度 民族と民族問題の諸相
第1回 2011年11月9日 インドネシアにおける多民族の共存
第2回 2011年11月16日 国民国家インドネシアに対抗する民族
第3回 2011年11月30日 インドネシアにおける外来少数民族 (今週)

■今週の配付資料 民族と民族問題の諸相:インドネシア第3回
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期末試験問題について

インドネシアに関して出された期末試験問題は以下のとおりです。

多民族国家インドネシアの民族間の関係は一様ではない。スマトラ島北部に住むアチェ人の事例と華人の事例を取り上げ、インドネシア国民を構成する諸民族の一員でありながら、両者の間にはどのような違いがあるのかを説明したうえで、国民の統合に向けてどのような政策がとられているかを論じなさい。

問題の趣旨は、インドネシア政府による国民統合のための政策について尋ねることにあります。したがって、「統合政策」と「同化政策」の大きな流れを、まず押させておく必要があります。そのなかで、アチェ人のように固有の領域をもち、先住性を主張できる民族と、華人のような外来民族とのあいだで、政策の適用が異なってくることを示してください。

先住の諸民族に対しては統合政策をとり、それぞれの固有の文化を認めつつも、その位置づけは、あくまでも国民(バンサ)のなかにある地方の文化という立場を取ります。それに対して、華人に対しては、当初は、華人特有の文化(漢字の使用、中国名の使用)を否定する同化政策をとっていましたが、民主化以降は統合政策に転換しました。

また、華人はインドネシアの国籍をもった人々である点にも留意してください。アチェの独立運動を詳しく述べた回答が多くありましたが、これだけでは政府の政策についての回答とはなりません。

          

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