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2008年度第4回イスラーム文化表象科研研究会

【一般】

基盤研究(B)『地球規模における「イスラーム」表象の宗教的・文化的総合研究』の2008年度第4回研究会を以下のとおり開催します。本科研は今回の研究会が最後の開催となります。皆様のご協力にあつくお礼を申し上げます。

メンバー以外の方、学生・院生にも公開していますので、ふるってご参加ください。

□第4回イスラーム表象科研研究会
■日時:2009年2月13日(金曜日)午後4時~午後6時
■場所:東京外国語大学 総合文化研究所 会議室(研究講義棟422)
■発表者:川島 緑氏(上智大学)
■題目:「文明」の伝道者たちが描いたモロ―米国統治期フィリピンにおけるムスリム表象―

■発表要旨:

1898年にフィリピンを領有した米国は、フィリピン人に教育を与え、「文明化」させ、自治能力を身につけさせることを植民地支配の正当化論理とした。南部フィリピンのイスラーム地域(ミンダナオ島、スールー諸島等)で植民地統治を担ったアメリカ人行政官や教員、彼らを支えたキリスト教宣教師、そして、彼らの活動を本国に伝えたジャーナリストたちは、「文明化」の伝道者としてムスリムに向き合った。本報告では、20世紀前半にアメリカ人が作成したムスリムを題材とした映画("Glory in the Morning"邦題「暁の討伐隊」ゲーリー・クーパー主演、1939年)、絵葉書、新聞記事・挿絵等を紹介しつつ、アメリカ人がいかにムスリムを表現したか、なぜそのように表現したのかを検討し、米国統治期にアメリカ人が形成したムスリムやイスラームに対する見方が、その後のフィリピン社会におけるムスリムの位置づけや、フィリピンのイスラーム研究にどのような影響を与えたかを考える。

【注記】映画の正しい原題はThe Real Gloryのようです。ちなみに「凶暴なモロ族の指導者アリパン」は日系俳優Tetsu Komai(駒井哲)が演じています。

          

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