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飯塚 正人(いいづか まさと)先生

アジア・アフリカ言語文化研究所 教授

私が本学に着任したのは1994年。1964年に本邦初の人文・社会科学系全国共同利用研究所として本学に附置されたアジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)の助手に採用され、以来32年にわたって本学でお世話になりました。

これまでの人生のほぼ半分を外語大で、研究を主たる職務とする幸運に恵まれて過ごしてきたわけで、本当に幸せな研究者人生だったと思います。

私の専門は中東地域研究・イスラーム地域研究、なかでも近現代イスラーム思想と現代イスラーム運動だったことから、メディアや出版社からの解説依頼・原稿執筆依頼に応えるケースが多く、特に2001年の「9・11米国同時多発テロ」や2011年の「アラブの春」に際しては、その後数年にわたって事件・事象の解説に追われました。そうしたなか、2005年度から2009年度には文部科学省特別経費による「中東イスラーム研究教育プロジェクト」を全学で推進。「中東を知る基礎講座」を担当して学部生の皆さんとお付き合いできたのも忘れ難い思い出です。なにしろ私、生まれて初めて非常勤講師として大学で講義を担当したのも1992年度、西ヶ原の外国語学部での「アラブ事情/イラン事情」でしたので。

2015年度から2019年度にかけては、研究協力課と同僚所員をはじめとする教職員の皆さまにお支えいただき、なんとかAA研の所長を務めあげることもできました。皆さまにはただただ感謝の一言ですが、あわせて本学の今後益々の発展を祈念しております。長い間、本当にどうもありがとうございました

おすすめの一冊

板垣雄三監修 山岸智子・飯塚正人編『イスラーム世界がよくわかるQ&A100 人々の暮らし・経済・社会』亜紀書房、1998年

1998年に刊行した本なので、図書館で読んでいただくしかないかもしれませんが、平均的な日本人が日ごろ疑問に感じているに違いないイスラーム世界の問題を100問選んで、それぞれ見開き2ページで解説しています。今でも報道関係者を中心に、高く評価してくださる読者が多い入門書です。

佐野 洋(さの ひろし)先生

大学院総合国際学研究院 教授

北区・西ヶ原に本学キャンパスがあった1996年に本学に赴任しました。以来30年になりました。在職中は、先生方をはじめ事務の方、多くのみなさまに支えていただき、退職の日を迎えることができましたこと、心より深く感謝いたします。

振り返れば、キャンパスの情報化と府中市への移転があり、その後間もなくの大学法人化という節目節目に、校務に携われ、多少なりともお役に立てたこと嬉しく思います。毎年のように予算申請のヒアリングにお供できたことは、今でも鮮明な思い出として残っております。赴任時、単科大学だった組織体制も今では3学部を有し大学院も充実されると伺っております。今後も変化を経て、本学が更なる発展を遂げることを確信しております。

ところで、本学で過ごした「30年」は分量で代替された時間ですし、「鮮明な思い出」も曖昧な記憶と不確かな推論による象徴的な時間の表現です。唯々、存在するのは、自らが経験する今ここだけです。時間は不可知で物理的にも無いと言われ知覚もできません。時間は信念によって生み出されるものなのでしょう。

不可思議です。その時間の不思議さを垣間見るお勧めの本を挙げます。 

内井惣七,『空間の謎・時間の謎 宇宙の始まりに迫る物理学と哲学』,中公新書,2006. 

長いあいだ,ありがとうございました。

おすすめの一冊

内井惣七著『空間の謎・時間の謎 宇宙の始まりに迫る物理学と哲学』中公新書、2006年

中川 裕(なかがわ ひろし)先生

大学院総合国際学研究院 教授

1990年に東京外国語大学に着任してから、数えてみると36年になります。音声学・音韻論を学生に教えながら、カラハリ狩猟採集民(いわゆるブッシュマン)の言語、グイ語・ガナ語の調査研究を続けてきました。振り返ると、私の教員生活のほとんどは、この研究を楽しみながら過ごした時間でした。この研究に関わるきっかけは、当時、本学の先輩同僚だった細川弘明さんが、京都大学のカラハリ調査隊の田中二郎先生と菅原和孝先生を紹介してくれたことでした。お二人のご厚意で調査隊に加えてもらい、グイ語・ガナ語の調査研究を始めました。東京外国語大学で働かなければ、この研究に出会うこともなかったと思います。

東京外国語大学の同僚や学生の皆さんは、時として文脈を無視したような私の行動にも寛大でした。そのおかげで、ずいぶん自由に研究を楽しませてもらった36年間でした。幸い、グイ語・ガナ語の研究には、定年後も続く具体的なプロジェクトがあります。この研究との付き合いはまだ続きそうです。これまで支えてくださったすべての方々に、心から感謝申し上げます。

おすすめの一冊

田中二郎著『砂漠の狩人』中央公論社(中公新書)、1978年

大学受験生のときに偶然読んだ思い出の一冊です。この本で、カラハリの狩猟採集民の暮らしを初めて知りました。その14年後に著者の田中先生の調査隊に加わり、グイ語・ガナ語の研究を始めることになるとは、そのときは想像もしていませんでした。

小松 由美(こまつ ゆみ)先生

大学院国際日本学研究院 准教授

日本政府の国費外国人留学生制度で世界各地の在外公館の推薦により採用された国費留学生が渡日して全国の大学に進む前に受ける予備教育を、1999年3月から担当してきました。国費学部留学生や研究留学生、教員研修留学生の授業や相談、プログラム運営などで、130以上の国と地域からの若者たちの人生に関わる機会を得ました。様々な専門分野に進み、世界各地で活躍している修了生は、本学の誇りです。

大学や学部でも文化とコミュニケーションに関する授業を担当し、文化は技術の発明や普及、災害によって変わっていくこと、そして、異なる文化に接した際にひとまず判断を保留することの大切さを伝えてきました。先入観や既成概念で決めつけず、相手に耳を傾けて受け止める力をつけることができれば、先が見えない社会でも人生の選択肢を増やし、より自分に合った選択ができるようになるかもしれません。

本学に世界各地から集った若者と出会った記念に、研究室から見える都立武蔵野の森公園に、皆さんへのエールを送るメッセージのプレートが入ったベンチを寄贈しました。調布飛行場を眺める丘に設置されています。皆さんにメッセージが届けば嬉しいです。

おすすめの一冊

V.E.フランクル著『それでも人生にイエスと言う』春秋社、1993年

オーストリアの医師フランクルにより1946年の講演をもとに書かれた本です。時代背景や翻訳された年を意識しながら手に取ると、先が見えず状況を変えることが難しい時代を生きるヒントが見つかるかもしれません。


他にも以下の先生方が2026年3月31日付で本学を退職されます。

  • Iris Haukamp 大学院国際日本学研究院・准教授
  • 吉﨑 知典 大学院総合国際学研究院・特任教授
  • 川本 渚凡 世界言語社会教育センター・GLIP特任講師
  • 藤田 百子 世界言語社会教育センター・特任助教
  • 甕 隆博 世界言語社会教育センター・特任准教授
  • 朝倉 郁子 世界言語社会教育センター特定教員(特任助教)
  • HENDRICKS Christoph 世界言語社会教育センター・特任准教授(特定外国語主任教員・ドイツ語)
  • 劉 春梅 世界言語社会教育センター・特任准教授(特定外国語主任教員・中国語)
  • ALAM Mohammed Moynul 世界言語社会教育センター・特任講師(特定外国語主任教員・ベンガル語)
  • 瀬谷 GRONDAN Anne Aurelie 世界言語社会教育センター・特任講師(特定外国語主任教員・フランス語)
  • BILIK Eva 世界言語社会教育センター・特任講師(特定外国語教員・ドイツ語)
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