ピエリア・エッセイ
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- 「ほんの少し度数が上がると」―美術館ができること
- ピエリア・エッセイ
- 昨年の3月、ウィーンにあるレオポルド美術館の企画展「ウィーン1900年 モダニズムの誕生」がちょっとしたニュースになった。エゴン・シーレやグスタフ・クリムトといった同美術館が誇るコレクションのうち、15点の作品が斜めに傾いた状態で展示されたからである。傾
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- 命をつなぐ「水がめ」 気候変動を現場で見る/考える
- ピエリア・エッセイ
- 季節はずれの大雨や日照りによる水不足など、私たちの生活に身近な気候変動はどれも水と関わっている。生態人類学は、人と自然の関係を暮らしの現場から解き明かそうとする学問だ。その確実な方法は、・・・
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- 雪原のキリン
- ピエリア・エッセイ
- 旭山動物園をはじめて訪れたのは、10年余り前のことである。動物本来の姿を引き出すという行動展示の導入によって、旭山動物園は今世紀初頭に奇跡的な復活をとげた。その熱気が収まってきた頃の訪問だった。3月末なのに、まだ雪が降り積もり、
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- 四色キューブ「タフモニュ」に寄せて
- ピエリア・エッセイ
- 林 佳世子 本学関係者にとって「本学の色」として頭に浮かぶのは大学の入り口に建つ、あの色とりどりのタフモニュだろうと思い、それについて書い…
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- 苦さと甘さ
- ピエリア・エッセイ
- 沼野 恭子 ロシアの結婚式には、客が「Горько(ゴーリカ)! Горько(ゴーリカ)!(苦い! 苦い!)」と叫びだすと、新郎新婦が皆…
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- 闇と声
- ピエリア・エッセイ
- 真島 一郎 爺さんが慾にかられて猫の鳴きまねをしたとたん、鼠の里が「辺り一面まっ暗闇となる」結末に、幼いころどれほど慄然としたか、その感覚…
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- 〈樹じたい〉、フランク・ザッパ、李白 ~覚醒と美のフローやがて抗熱のち哄笑(続)~
- ピエリア・エッセイ
- 橋本 雄一 いつも行く道に必ず確認する一本の樹がある。巨大だ。川べりに立つ。 _その樹に近づいたことが無い。近づけない。いつも電車の中から…
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- つながりと言葉
- ピエリア・エッセイ
- 大津 友美 近年、「つながり」という言葉をよく耳にしたり見かけたりするようになった。孤立し、育児に悩む母親、無縁社会など、人と人とのつなが…
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- ”われわれ”という思考
- ピエリア・エッセイ
- 岩崎 稔 哲学者ヘーゲルの大著『精神現象学』(1807年)は箴言の宝庫と言われる。そのなかによく「われわれなるわれ、われなるわれわれ」と訳…
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- 奪われたままの知と身体
- ピエリア・エッセイ
- 小田原 琳 イタリアの革命家/思想家アントニオ・グラムシは、一九二六年にファシスト政権によって逮捕される直前に「南部問題についての覚え書」…
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- 明日の神話
- ピエリア・エッセイ
- 野平 宗弘 昼夜を問わずひっきりなしに行き交うダンプカーの巻き上げる砂ぼこりに一切が覆われ、家は一年中貧乏ゆすりのように揺れ続けるせいか、…