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夏学期、海外大学との連携特別講義レポート

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東京外国語大学は、2015年度から「TUFSクオーター制」を導入し、1年を春・夏・秋・冬学期の4つに区分しています。このTUFSクオーター制の魅力は夏学期と冬学期にあります。夏学期・冬学期は、短期海外留学、留学生らとともに学ぶ国内でのコース、新しい言語を学ぶ言語研修、多様な集中講義、インターンシップなどに活用されます。夏学期と冬学期の充実により、東京外国語大学での学びがよりアクティブになります。

今回のTUFS Todayでは、今年の夏学期に府中キャンパスで行われた海外大学との連携による集中講義をいくつかご紹介します。冬学期、来年度の夏学期の計画のご参考にしてください。

Joint Education Program(海外協定校との多様な共同教育プログラム)

1)諸地域言語(タイ語)「タイ語会話(文化的なテーマ)」

連携大学:マヒドン大学(タイ)

マヒドン大学の文化ワークショップの専門家指導のもとで、タイ伝統染物、タイ料理、手縫いバッグなどの文化的な活動を通じて自然なタイ語で交流しました。タイ語のコミュニケーション能力を向上させ、さらに説明や発表に使うタイ語能力を高めました。

シラバス:
https://gakumu-web1.tufs.ac.jp/Portal/Public/Syllabus/DetailMain.aspx?lct_year=2019&lct_cd=19143513

2)世界展開力強化事業「日本発信力強化に貢献するミャンマー・ラオス・カンボジア知日人材養成プログラム」による短期Joint Education Program

連携大学:ヤンゴン大学(ミャンマー)、ラオス国立大学(ラオス)、王立プノンペン大学(カンボジア)

各大学からの留学生と、本学でこれらの地域の言語や文化・社会を学ぶ学生が参加し、タンデム学習やゼミ形式での授業、日本文化・社会の学外実地研修などを行いました。学外実地研修では、北口本宮富士浅間神社、富士山世界遺産センターなどに訪問したほか、グループごとに都内の体験施設等を訪問しました。

詳報(ラオス):https://tenkaicalm.wordpress.com/2019/09/11/ss_laos_july2019-2/
詳報(カンボジア):https://tenkaicalm.wordpress.com/2019/08/22/ss_cambodia_july2019-2/

3)日露ビジネスサマースクール2019

連携大学:モスクワ国立大学、モスクワ国立国際関係大学、ロシア国立人文大学、国立研究大学高等経済学院、サンクト・ペテルブルグ国立大学、極東連邦大学

ロシアの6協定校から30名の学生が来日し、本学の学生と交流しながら集中的に日本語と国際日本学を学びました。ロシア人学生らの来日翌日から日露タンデム学習を開始。3日目には、タンデム学習の一環で、一日文化研修として江戸東京博物館と上野公園を散策しました。翌週1週間は、ロシア語で教授する集中講義「国際日本学」。「東京外大とメーチニコフ」「NHKについて―ロシア人ジャーナリストの仕事―」「日本の就職事情」「日露交流史」「国際政治:日本は世界をどう見ているか?」などの講義が行われました。期間中に、1日企業訪問として、ソニー本社やNHK放送センターを訪問し、2週間のプログラムを終えました。

詳報:https://tufs-tenkai2rus-jp.com/summerschool2019/

4)日独タンデム合宿 in 草津および日本語教育実習 in TUFS

連携大学:エアランゲン大学(FAU)(ドイツ)

群馬県の草津セミナーハウスにおいて日独タンデム合宿が行われました。今年で第9回目。ドイツのエアランゲン大学(FAU)の日本学専攻学生14名と、本学でドイツ語を学ぶ学生15名が、互いに言葉と文化を学び教え合う合宿です。タンデムの他に日独混成グループで、温泉文化についてのリサーチや日独二言語での寸劇なども行いました。本学の学生たちは同世代のドイツの学生 と6日間共同生活を行い、タンデムやグループ活動を通じて、教室で学んだドイツ語を実地で使い、同世代の若者との交流を深めることができただけでなく、ドイツの学生の日本語学習を支援し、日本についての問いかけに答えることよって、日本語と日本文化について改めて考える機会を得ました。

タンデム合宿に続いて、本学でエアランゲン大学の学生を対象に本学の学生による日本語教育実習が行われました。

詳報:https://sgutufs.files.wordpress.com/2019/10/sgu_jep2019_4.pdf

遠隔会議システムによる講義

国際社会と地域1「ダイナミック・アジア:多様な観点から平和と紛争を考える」

連携大学:紛争を経験したアジア地域の大学
講師:福田 彩 特任助教

紛争を経験したアジア地域(インド、カシミール、パキスタン、スリランカ、カンボジア、インドネシアなど)の大学とビデオ会議システムでつながり、府中キャンパスにいながらにしてアジアの紛争の現実と平和構築・紛争予防の基礎を学びました。海外現地の教員と質疑やディスカッションを行う時間も豊富に設けられ、英語での討論も経験。コースの冒頭で異文化コミュニケーションについても学び、海外との円滑なコミュケーションを目指しました。

参加学生の声

  • 今まで海外の大学の教授と会議システムでつながるということ経験をしたことがなかったのでとても興味深かったです。世界史を高校の時に世界の紛争について勉強していた内容よりももっと深掘りして話を聞けるのが目を開かされて面白かったです。
  • 一つの視点から見るのではなくてさまざま視点から紛争についてみることができるように、各地域の教授がレクチャーしてもらい、その国で捉えられている紛争のあり方がいろいろと感じられてとてもよかったです。また、質疑応答やディスカッションの時間が充実していたので、いろんな人の意見が聞けて面白い授業だと思いました。

シラバス:
https://gakumu-web1.tufs.ac.jp/Portal/Public/Syllabus/DetailMain.aspx?lct_year=2019&lct_cd=19180009

CAAS(アジア・アフリカ研究教育コンソーシアム)招聘教授による特別講義

本学では、日本研究の世界的拠点を構成機関とするアジア・アフリカ研究教育コンソーシアム(CAAS)を母体に、第一線の外国人日本研究者を招聘し、外国人研究者と日本人研究者で構成されるユニットを構成します。この夏学期には、ロンドン大学東洋・アフリカ研究学院(SOAS)から2名、フランス国立東洋文化学院(INALCO)から3名の研究者を招聘し、特別講義を担当していただきました。

1)日本の現在を知る1「国籍・戸籍・家族 - 法的アイデンティティの確立」

講師:小沼イザベル 特別招へい教授(INALCO)

日本人であるということは、法的にどのようなことか。国籍と戸籍の関係性に注目しつつ、 戸籍または国籍がないということが具体的に何を意味するのか、さらに法的ステータスを得るための条件等を通して、日本の法制度における日本人の画定、さらに法的アイデンティティの形成を分析しました。歴史的法学的にいかに日本人は統制されてきたのか。諸外国との比較を交えつつ、現代日本社会における国籍・戸籍問題を通して考えました。

シラバス:
https://gakumu-web1.tufs.ac.jp/Portal/Public/Syllabus/DetailMain.aspx?lct_year=2019&lct_cd=19180175

2)日本の文学と文化を知る1「Transnational Japanese Cinema」

講師:イゾルダ・スタンディシュ 特別招へい教授(SOAS)

国際的な成功を収めた映画に焦点を当てて、文化的ナショナリズムの問​​題、美的概念の概念、現代映画が映画祭や商用配信ネットワークのベクトルを通じて世界にどのように流通するかなどを考察しました。講義4日目には、「映画のまち調布」ワーキングツアー(調布市・大学院国際日本学研究院(CAASユニット)共催)にも参加しました。

シラバス:
https://gakumu-web1.tufs.ac.jp/Portal/Public/Syllabus/DetailMain.aspx?lct_year=2019&lct_cd=19180174

3)日本の現在を知る1「20世紀の日本産業労働者 : 象徴的なケースとしての鉱業」

講師:ベルナール・トマン 特別招へい教授(INALCO)

20世紀の日本産業労働者の歴史を、炭鉱労働の変容を通して考察しました。セミナーでは、小説、写真、イラスト、映画などのさまざまな資料を使用して分析。最終日には、上野の旧岩崎邸庭園へ日帰りフィールドワークにも行きました。

シラバス:
https://gakumu-web1.tufs.ac.jp/Portal/Public/Syllabus/DetailMain.aspx?lct_year=2019&lct_cd=19180177

4)日本の現在を知る1「Japan: Politics, Economy, and Society」

講師:クリスティン・スーラック特別招へい教授(SOAS)

日本の政治、経済、社会に焦点をあて、今日の日本のカギとなる外形を探りました。

シラバス:
https://gakumu-web1.tufs.ac.jp/Portal/Public/Syllabus/DetailMain.aspx?lct_year=2019&lct_cd=19180178

5)日本の文学と文化を知る1「日本におけるギリシャ古典と文化の所有」

講師:ミカエル・リュケン 特別招へい教授(INALCO)

ギリシャの歴史、芸術、哲学、文学への多くの言及は、20世紀を通じて日本文化のほとんどの分野で見られます。三島由紀夫の戯曲や小説、あるいは宮崎駿の有名なアニメにおける古典ギリシャの重要性は例外的ではありません。ギリシャ芸術や文学と日本の出会いの歴史的概要を講義し、他の同様の受容プロセス(特にドイツとアフリカ)と比較しました。さらに、文化の流用/所有/所有の問題について考察しました。

シラバス:
https://gakumu-web1.tufs.ac.jp/Portal/Public/Syllabus/DetailMain.aspx?lct_year=2019&lct_cd=19180176

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