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私たちにできること・・・ 外大東北復興支援隊

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本学の学生ボランティア団体である外大東北復興支援隊は、2011年4月21日、東北出身の学生4人によって設立されました。「東北復興のために自分たちにできることを・・」という彼らの想いは多くの共感をよび、発足時から現在まで、100名を超える学生が長期にわたって活動に携わってきました。日本のうち、そとでボランティア活動に打ち込む学生の多い東京外大のなかでも外大東北支援隊の活動はとくに注目されます。今回のTUFS Todayはその活動をご紹介します。まもなくあの3.11から3年。私たちになにができるのか・・・今一度、考える機会になれば幸いです。

石巻市日和山公園からの景色

発足

始まりは、3.11 の衝撃でした。当時外国語学部3年だった吉村健吾さん(ポルトガル語専攻)と鈴木和さん(フランス語専攻)、4年の高橋由佳さん(朝鮮語専攻)、大学院の太田華江さん(国際協力専攻)があつまり、舩田クラーセンさやか先生を顧問に活動が始まりました。

活動内容

活動内容は多岐にわたります。外大東北支援隊は宮城県石巻市中屋敷地区を拠点として、子供たちの学習支援をはじめ、津波で被害を受けた旅館修繕のお手伝いや、地域のお母様方による「物作り会」の協力をさせていただいたほか、東京では活動報告会・展示会・映画上映会・震災関連の催し物参加等に力を入れてきました。

団体設立時から約2年にわたり、ひと月1~2回、長期休みは毎日、メンバーが交代で石巻市を訪れています。その後は現地の状況をみながら訪問回数を減らし、その分1回1回の活動内容を密度の濃いものにするために試行錯誤を重ねてきました。外大生の強みをいかし、各国の言語や文化を子どもたちに紹介する企画を準備したり、小中学校で国際交流授業をひらいたりしたことがその例です。これらの活動には本学で学ぶ留学生も多く加わりました。

コミュニティカフェプロジェクト(2011年5月~)

2011年12月 ドイツからの留学生がドイツのクリスマスを紹介

NPO法人JENが運営する、石巻市中屋敷地区のコミュニティカフェ「なかやしきっさ」にて、子どもたちへの学習支援やレクリエーションを行いました。2013年春より、「なかやしきっさ」再建に伴い拠点を上釜地区の公民館に移動し、同様の活動を継続しています。

2012年6月 学習支援の様子

東松島市仮設住宅学習支援(2011年10月~2012年)

東松島市にある仮設住宅で、小中高生を対象に学習支援を行いました。

旅館修繕のお手伝い(2011年6月~2012年春)

2013年3月 再建した旅館を前に

津波で半壊となってしまった「美浦旅館」修繕のお手伝いをさせていただきました。旅館のご主人は大変な努力によって再建・再オープンを果たし、支援隊は3月の東北旅行の際にも、ここへ宿泊することにしています。
(美浦旅館HP:https://miuraryokan.com/)

外語祭での物品販売と展示企画(2012年、2013年)

2013年 外語祭に出品する小物を作っている「物作り会」

外語祭では、石巻のお母さん方の手作り品を販売したり、支援隊が携わったプロジェクトの紹介をしています。これまで2回の実施にあたり多くの方々に足をお運びいただきました。来年度も出店の予定です。

石巻市の中学校にて国際交流授業(2013年9月初回、2014年9月二回目予定)

2013年9月 ミャンマー出身の学生がミャンマーを紹介

昨年9月、石巻市立青葉中学校にて、授業時間をお借りして国際交流イベントを行いました。具体的には、中学1年生2クラス約60人に対し、同行した留学生の母国を含む3ヶ国(ミャンマー、エジプト、ドイツ)のプレゼンテーションとクイズ、3カ国の料理に必要な材料を英語で買うゲームを行いました。このイベントが好評をいただき、今年9月には対象を3学級に増やして同様の国際交流授業をさせていただくことが決定しています。

さて・・・

ニーズは絶えず移り変わりますが、支援を必要としている人がたくさんいることは震災から3年が経つ今も変わりません。一方で、東京における震災の「風化」を止めることはますます難しくなってきています。外大生として、復興のために何ができるのか。外大東北支援隊のメンバーは設立メンバーの想いを引き継ぎ、「被災された方々を支え、学生にとって学びとなる活動を行う」という当初の目的を忘れずに活動を続けていこうとしています。

外大円形食堂にて 活動報告会

メンバーから一言

田邉瑞穂さん(アラビア語専攻3年)

昨秋から支援隊の代表を努めております。私は、2011年4月、とにかく「東北出身者として何かしなければ」という思いで活動に加わりました。以来3年ほど石巻市の方々と関わらせていただいておりますが、現地の皆様の優しさや思いやりから、いつも私が学ぶことばかりです。震災から3年が経つ今、現地のニーズは以前にもまして東京にいる私達にとっては見えにくく、また複雑になっているように思います。その中で支援隊は、今まで以上に、外大生として出来ることは何かを真剣に考えて今後の活動を行っていきたいと考えています。その一例が昨年9月に第一回目を実施した石巻市立青葉中学校での国際交流授業です。東京から用意していった世界各国の写真やプレゼンテーションに中学生の皆さんが喜んでくださったことは、私達にとっても忘れることのできない嬉しい体験でした。「何をやったら良いか分からないけれど、何かしたい」という方、ぜひ気軽に支援隊にお越し下さい。一緒に外大生らしい復興支援をどんどん生み出していきましょう。

豊原智恵さん(ヒンディー語専攻3年)と矢作衣里さん(ラオス語専攻3年)

豊原さん

東北支援に向けて何か活動をしたいと思っていたときに、東京外大の中にこの活動があるのを知り、参加を決めました。震災直後には、支援隊は現地に行く活動を積極的に行ってました、現地をこの目で見たい、という思いから、一緒に行き、活動を行いました。

矢作さん

祖父母が全員東北に住んでいるということもあり、私は幼い頃から毎年東北に遊びに行っていました。自然に恵まれ、安心感が得られる東北が大好きでした。2011年3月11日に東日本大震災後、「私に出来ることは何かあるだろうか。」そう思い瓦礫撤去のボランティアに参加しようとしましたが、体力のない女性が行っても足手まといになり役に立てない、と反対されました。何も出来ずに無力さを実感しました。そのような中、支援隊の活動を知り、人の心に寄り添う理念に共感し、大学1年生の途中から支援隊の一員となりました。私はこれまでに数回石巻を訪れ、コミュニティカフェで子どもたちの学習を支援する活動をしてきました。現在は広報活動を通じて震災のことを思う機会をみなさんに広めていくことに取り組んでおります。今後も可能であれば石巻を訪れ、現地の人の話をきき、良い信頼関係を築いていきたいと思います。

和田梨紗子さん(ドイツ語専攻4年)

団体設立とほぼ同時期から現地活動や広報に携わってきましたが、1年間の留学の間、支援隊の活動から離れていました。帰国後は少し不安が少しありましたが、一緒に活動してきた仲間や、石巻でお世話になった方々、新たなメンバー、顧問の舩田先生をはじめ、応援してくださる先生方と話をし、再び活動をはじめました。迷いはいつでもあります。けれども東北とのかかわりを通して学ぶことの方がはるかに大きいのです。昨秋より副代表を務めておりますが、私たちは今後とも皆様の支えのもと、活動を続けていきたいと思います。

3月6日、DVD上映会のお知らせ―震災を振り返る

昨年12月、学内で『Living Through March 11th (3月11日を生きて ~石巻・門脇小・人びと・ことば~)』の上映会が行われました。このDVDは石巻市の市民団体や教育関係者の方々が震災直後の教育現場の声を記録したドキュメンタリーです。上映会当日は石巻市立蛇田(へびた)中学校の元校長先生にも外大においでいただき、映画の解説に加え、被災された方々の現状やこれからの支援の在り方について講演していただきました。

今回は2回目の上演会です。地域の方々にもお越し頂けるよう、会場は武蔵境駅徒歩1分の「武蔵野プレイス」。昨年12月に蛇田中学校元校長先生から伺ったお話も、DVD上映と合わせて紹介します。

日時: 3月6日(木) 18:30〜20:30
場所: 武蔵野プレイス 3F スペースC(武蔵境南口徒歩1分)
参加費: 100円
支援隊ブログ:http://tufsfortohoku.blog.fc2.com/


※外大東北復興支援隊の活動は2015年3月をもって終了いたしました。設立以来多くのご賛同・ご支援・ご協力いただき、ありがとうございました。

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