第102回外語祭特集:「外語祭への想い」を語る~林学長と外語祭実行委員長の対談、三役局長陣へのインタビュー~
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2024年11月20日(水)〜11月24日(日)にかけて、第102回外語祭が開催されます。
外語祭の歴史は古く、その起源は今から124年前の1900年に遡ります。初めから外語祭という形で開催されていたのではなく、「講演会」(1900年〜1908年)、「語学大会」(1919年〜1928年)、「語劇大会」(1930年〜1936年)、「語劇祭」(1947年〜1954年)、「外語祭」(1955年〜)とその名称を変え、今日に至ります。(※戦争や学園紛争などによる中断あり)
第102回を迎える今年の外語祭のキャッチコピーは、「いつか行けたらを、今」。
コロナ禍を経て、さまざまな制限が緩和された今は、まさに「いつか行けたら」を実行する機会となるかもしれません。
今回のTUFS Todayでは、外語祭の運営を担う外語祭実行委員会の長谷川皇一委員長と、林佳世子学長の対談の様子をお届けします(対談は10月下旬に実施)。さらに、外語祭実行委員会の三役局長陣にも、今年度の外語祭に向けた意気込みを伺いました。
対談者
- 林 佳世子 東京外国語大学長(以下、「林学長」)
- 長谷川 皇一(はせがわ・こういち)さん 外語祭実行委員長(以下、「長谷川委員長」)、国際社会学部/カンボジア語 3年
取材担当
- 大学院総合国際学研究科博士前期課程1年 星野 花奈(広報マネジメント・オフィス 学生広報スタッフ・学生ライター)
外語祭に感じる魅力
林学長 外語祭のすごいところは、これだけの催しものを外語祭実行委員会がやっているということだと思います。外語祭は他大学の文化祭に比べて、期間も長く、規模も大きいし、1・2年生のほとんどが参加するという参加の度合いも違いますよね。そういった規模のものを、もちろん大学のサポートもありますが、基本的に実行委員会が担っているというところがすごいと思います。そもそも、他大学の方に「文化祭を1週間やる」と言うとびっくりされるんですが、1週間も授業を休みにすることが許されているのは、やはり普段の学びと外語祭が直結しているからです。楽しむだけでなく、大学での言語や地域についての学びをいかして、「料理を作ってみる」「劇を演じてみる」ということも一つの学びになると思っています。
長谷川委員長 運営側として感じる魅力は、「一体感」ですね。高校の時にクラス対抗の大縄などをやると思うんですけれど、あれを大学規模でやっている感じです。そうした「一体感」を大学でも味わえることで、忘れられない思い出にもなるのかなと。実行委員会としてそれを一緒に作り上げていけるというのが、すごく良いところだと思っています。
林学長 本学の卒業生とよく会いますが、「外大に行きたいなと思ったら、外語祭の時に行こう」と、皆さん思うようです。外語祭に来たら誰かに会えるし、今の様子も分かるし、思い出にも浸れるし……。卒業した後も、外語祭が一つのミーティングポイントになっているという意味で、外語祭はすごく貴重な機会だと思います。大学としてもそういう機会が持てるのはありがたいですし、だからこそしっかりと支えていきたいと思っています。
今年の外語祭の見どころ
長谷川委員長 今年の外語祭は、「新たな外語祭の幕開け」を予感させるものになっていると思います。1世紀続いてきた外語祭の伝統を引き継ぎつつも、この先100年、200年続いていくために、持続可能な外語祭にしていこうと委員会内で協議しています。加えて今年は、コロナ禍で料理店に参加できなかった多くの上級生にも、模擬店に参加していただいています。なので、大学として、より一致団結した外語祭になっているのかと思います。そのほかにも、今年からの初めての試みとして、グラウンド企画も予定しています。企画の装飾などにもこだわっているので、見て楽しめる外語祭にもなっていると思いますね。
林学長 楽しみですね。グラウンドを人工芝にしたために、フィナーレの花火ができなくなったのは大学としても予想外のことでした。残念に思っていますが、新しい企画もあるんですよね?
長谷川委員長 そうですね。代わりと言ってはなんですが、最後にちょっとしたサプライズがあるので、「お楽しみに」という感じでしょうか。
林学長 あと、語劇のYouTube配信は今年も続くんですか?
長谷川委員長 今年も続きます。コロナ禍から始まった取り組みですが、受験生や世界各地にいる東京外大生など、来場が難しい方でも楽しめるように、今年もオンライン上でも配信する予定です。
林学長 実を言うと、オンラインで配信されるまでトルコ語劇以外はしっかりと見たことがなくて……。語劇はどこも入れないくらい人気なので。オンライン配信があることで気軽に見られるようになったので、楽しんでいます。また、屋内企画の音楽や舞踊も本当にすごいですよね。
長谷川委員長 そうですよね。東京外大らしい部活やサークルが多いなと思います。なので、料理店を一周まわったら、次は講義棟の中でも楽しめるというのも魅力の一つですね。
林学長 企画の装飾も工夫されていますし、研究発表も興味深いです。見て歩くのが楽しみです。
外語祭に対する想い
長谷川委員長 先輩方が築いてきた外語祭の歴史を引き継ぎつつ、新たな外語祭を作っていくというのが実行委員会の毎年の役目だと考えています。第102回目を迎える今年は「挑戦の年」として、新たな企画や装飾などを取り入れて、「飽きさせない外語祭」を提供できるのではないかと思います。さらに、先ほど申し上げた通り、委員会内では「持続可能な」運営にしていくための協議も行なっています。現在、委員会には約200人のメンバーがいるので、業務の効率化を図るために、早いうちから動いて、細かいところから見直そうとしています。
林学長 外語祭実行委員会の様子を見ていると、ある種の事務組織としてきっちりしているというのを感じますね。いろんなルールを決めているからこそ、200人という大きな組織が回っているし、人が集まるのかと思います。
長谷川委員長 業務効率化の一例で言うと、今年から公式LINEを使ったマニュアル共有を予定しています。規模が大きいからこそ、それ相応の運営方法があると思うので、委員長として日々考えて動いています。
林学長 すごいですね。規模が大きくなって瓦解してしまう組織もある中で、外語祭が続いているのは「絶対続けていこう」という意志と、それを実現するための能力が兼ね備わっているからだと思います。本当に、これからもずっと外語祭が事故なく続いて欲しいですね。学生の皆さんにとって外語祭の存在はとても大きいものだと思うので、大学もサポートしながら、外語祭が時代に合わせ、持続可能なものになっていくといいなと思っています。
外語祭の「これから」
長谷川委員長 毎年新たな取り組みやチャレンジを取り入れていくというのが、外語祭の進化の過程なのかなと考えています。在学生も来場者の方も「飽きさせない」ための運営ができたらなと思います。そして、外語祭というのは、あくまでも在学生が日頃の学びや活動の成果を見せる場だと思っていますし、在学生なしで外語祭は成り立ちません。参加していただける在学生の皆さんには本当に感謝していますし、外語祭実行委員会としてしっかりとサポートしていきたいと考えています。
林学長 外語祭は、運営の仕方がよりプロフェッショナルなものになってきていると思っています。普通の人たちがイベントを運営することができるようになった時代の、一つの表れだとも思うんですね。そんな中でも、外語祭はさらに、何かほかと違うような要素を出し続けていってくれると思うので、それを楽しみにしています。
長谷川委員長 新しい要素という話で続けると、今年は「提灯協賛」というものを取り入れています。今年度は試験的に地域の会社や団体さまに限定してですが、協賛をいただいた場合、会社名や団体名を明記した提灯を飾る予定です。来年以降は卒業生などにも枠を広げて、目に見える形で応援していただけるような協賛方法も生み出していきたいと考えています。
林学長 本当によく考えていますね。本学が府中に移転してきて24年になりますが、地域の方々にとっても、楽しみな年中行事になっています。ずっと、ずっと続けてください。世界中の人が見ていますから。
長谷川委員長 はい! そうできるように、僕らも一生懸命運営していきたいと思います。最後のメッセージになりますが、外語祭実行委員会は在学生を全力でサポートしていくので、皆さんと一緒に外語祭を作り上げていけたら嬉しいです。
外語祭実行委員会の三役局長にインタビュー
今回は対談に加え、三役局長陣から外語祭に向けた意気込みも伺いました。
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副委員長:長谷川 優羽(はせがわ・ゆう)さん(国際社会学部/アメリカ地域・3年)
今年は委員の人数も過去最多、7局198人の個性豊かで努力家な本部員たちが、安全で楽しく、何よりも東京外大らしさを大事に、魅力的な学園祭を作ろうと奮闘しています。
赤いジャンパーを着た実行委員一人一人が、遊びに来てくださる方々に楽しい思い出を作っていただきたい一心で働いています。ぜひ、何か困ったこと、知りたいことがございましたら声をかけてください。皆様の「いつか見たかった」、「いつか聞きたかった」、「いつか食べたかった」、「いつか行きたかった」、そんな願いを少しでも叶えるお手伝いを全力でさせていただきます!
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会計:山中 李咲(やまなか・りさ)さん(言語文化学部/アラビア語・3年)
「食欲の秋」はいつしか「外語祭の秋」となり、そしてそれも今年で最後。高揚感と、緊張感と、底知れない寂しさと、色々な感情に振り回されながら、毎日一生懸命準備にあたっています。
今年度、会計の仕事をしながら強く感じたのは、外語祭がどれほど多くの人たちとの関わりの中で創られているかということです。実行委員をはじめ、参加団体の皆さま、大学職員の皆さま、卒業生の皆さま、地域の皆さま、そして、来場者の皆さま。何万人もの様々な思いが結集して、あの煌めく5日間があります。今年はどんなドラマが生まれるのか本当に楽しみですし、そんな外語祭がこの先もずっと続いてほしいという想いでいっぱいです。
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屋内-装飾局長:谷 敏志(たに・さとし)さん(言語文化学部/ロシア語・3年)
外語祭はコロナ禍を経て復活し、今年はさらに120%にパワーアップして開催されます!屋内企画は過去最多の50団体!さらに新しく人工芝となったグラウンド企画など今までにない試みを完遂すべく、日々東奔西走しております!自分としては実行委員として最後の外語祭…寂しさを感じると共にそれを吹き飛ばすほど人生で一番燃えています!今年の意気込みは、外語祭に参加する全ての人にとって安全で楽しく学びのある場を作ること!そして何より、誰よりも自分が楽しむことです。あの時の外語祭が楽しかった!そういってもらえるような思い出を届けることが出来たなら、大変うれしく思います!それでは外語祭でお待ちしております!!
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企画局長:片峯 楓(かたみね・かえで)さん(国際社会学部/モンゴル語・3年)
私は高校生の時初めて外語祭を訪れ、国際色豊かで唯一無二な魅力を放つ外語祭の虜になりました。そんな私は東京外大入学後、迷わず外語祭実行委員会(外実)に入会し企画局に配属されました。特に担当企画の来場者増加に貢献できた経験は今の私の大きな自信、そして原動力に繋がっています。
そんな外実生活3年目の外語祭は企画局長として迎える最初で最後の外語祭です。今年の16の本部企画、本当に素晴らしいものばかりです。私が保証します!どの企画もパワーアップしていますし、何より今年も新企画をご用意しています!毎年新たな楽しさを提供している本部企画に是非お越しください!!企画局員一同、皆様の本部企画へのご参加を心よりお待ちしております。
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広報局長:加藤 早貴(かとう・さき)さん(国際日本学部/国際日本学科・3年)
外語祭はたった5日間で世界中を旅することができる唯一無二の学園祭です。そんな外語祭の魅力をみなさんにお届けすることが広報局の役割です。料理店や語劇をはじめとした魅力あふれる企画を作り上げてくださる学生のみなさんの存在があってはじめて私たちは広報活動をすることができます。あらためて、外語祭に関わる全ての方に感謝を申し上げます。
私たち広報局は、外語祭当日は学内3箇所に設置されるインフォメーションセンターでご来場者の皆さまをご案内します。外語祭を楽しみつくしていただけるよう、精一杯取り組みますのでどうぞよろしくお願いいたします。皆さまのご来場を心よりお待ちしております!
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語劇局長:宇於崎 茜(うおざき・あかね)さん(国際社会学部/カンボジア語・3年)
毎年春から時間と労力をかけて各団体さんが素敵な語劇を作り上げています。大多数の方が演劇初心者であり、まだ学び始めて1年半の言語で劇をするというのは簡単なことではありませんし、いつもホールで練習する団体さんを観ながら勝手に感謝と尊敬の気持ちを募らせていました。
語劇局長としてもどうすれば団体の皆さんを支えられるのか、局員の皆と悩み考えてきたつもりです。優柔不断な私にここまでついてきてくれた局員と普段からサポートしてくださったたくさんの方々にお礼を伝えたいです。そして未来の語劇局も陰ながら応援しています。
努力と想いが詰まった語劇がこれからも愛され続けることを祈っています。
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事務局長:大石 明穂(おおいし・あきほ)さん(国際社会学部/アラビア語・3年)
外語祭は1年で1番キャンパスが活気にあふれる期間です。約1年かけて準備を進め、本部員1人1人の思いが実を結ぶ外語祭期間中の高揚感は言葉で表しきれません。今年もその時期が近づいてきて、今から楽しみです。事務局は料理店と模擬店などの企画運営をサポートしており、今年も来場者の皆さまに安心安全とキレイ、感動をお届けしたいです。準備も着々と進んでおり、世界を身近に感じられる個性豊かな店舗に乞うご期待です!頼りない点もあったと思いますが、どんな時もついてきてくれた大好きな局員をはじめ、事務局に関わるすべての方に感謝しながら、どの人にとっても思い出深く心躍る5日間となるよう局長として全力を尽くします!
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渉外局長:小出 一咲(こいで・いさき)さん(言語文化学部/ロシア語・3年)
現役で関わる外語祭としては最後の年となるにあたり、寂しい思いと同時にやりたかったことが実現できて嬉しい思いです。渉外局の主な仕事は外語祭の資金集めなのですが、外語祭公式キャラクターのグッズ作成も担っており、今年度は新グッズに力を入れました。来場の皆様の「欲しい」を実現しようと奮闘した日々でしたが、実際に現物が届いた時の嬉しさは計り知れません。本祭期間でお披露目するのが楽しみです。また、今年度も地域のお店や企業様、東京外大の卒業生など、多くの皆様から外語祭にご寄付いただきました。渉外局の仕事は、外語祭が皆様からのご支援によって成り立っていることを一番近くで実感させられます。今後も変わらぬご支援をいただけるような外語祭を築くために、第102回外語祭を全力で盛り上げます!
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野外ステージ局長:伊藤 小晴(いとう・こはる)さん(国際社会学部/カンボジア語・3年)
「アツいステージをつくるぞ~~!!」と春から意気込んでいたのですが、いよいよその本番が近づいてきてドキがムネムネしている野外ステージ局長です!!野ステでは超ハイレベルな出演者さまによるパフォーマンスに注目していただきたいのはもちろんなのですが、今年は野ステ賞と題した観客の皆様による投票企画や野ステInstagramなど、よりみんなで野外ステージを楽しめるような企画も盛りだくさんです!今まで一緒に頑張ってきた局員のみんなやお客さんと野外ステージを観て歌ったり、踊ったり、叫んだり、跳んだり、ツッコんだり、ヘドバンしたり、泣いたり、笑ったりする本祭が待ち遠しいです!最高のステージを作れるよう最後までゴリゴリ駆け抜けます!