Global Japan Office 第一号 ヤンゴン大学に設置
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初めて耳にする方も多いと思いますが、「Global Japan Office」は、東京外国語大学がその海外拠点に開設する海外オフィスの名称です。本学は、文部科学省により採択された「スーパーグローバル大学構想」でうたった「日本から世界への発信力の強化」、および、「大学グローバル化支援」の実現のため、今後10年間で主要な海外協定校38校に、Global Japan Officeを設置していきます。その第一号が、ヤンゴン大学に設置されました(設置日:2014年12月20日)。その様子を、ご報告します。
まずは、2015年1月30日(金)に行われた開所式の様子をご覧ください。
ご覧いただいたように、開所式には、アウントゥー ヤンゴン大学長、立石本学学長のほか、ミャンマー教育省からイーイーモー下(しも)ミャンマー高等教育局副局長、在ミャンマー日本国大使館丸山市郎公使をはじめ、多くの教育機関関係者、日本企業関係者らが出席しました。日本語を学びはじめたばかりのヤンゴン大学学生さんたちによる、心温まるパフォーマンスもあり、式は多いに盛り上がりました。
ヤンゴンGlobal Japan Officeの活動予定
すでに1月に奥平龍二本学名誉教授が特任教授として赴任し、オフィス開設の準備とビルマ語を使った日本教育・日本語教育を開始しています。
授業は、国文学科や人類学科の学生70名、それに教員の方も受講し、2クラスで実施しています。開所式を機に、さらに法学科、心理学科、歴史学科、東洋学科などからも受講の希望が寄せられているとのことで、うれしい悲鳴をあげているところです。2月中旬からは、日本語教育の専門家である木林理恵講師が加わり、二人体制での授業実施となります。ミャンマーの大学で1学期の終わる3月末まで、授業は続きます。
なぜヤンゴン大学か
2011年に就任したテインセイン大統領のもとでミャンマーの民主化が進み、欧米や日本、中国、韓国などからの積極的な経済投資が続いていることは、ご存じのことと思います。民主化のなか、大学もまた、大きく変わろうとしています。学生運動への警戒から長らく学部課程が閉鎖されていたヤンゴン大学でも、一昨年から学部教育が再開。現在、2年生を最上級生に学部教育の再編成がすすめられています。こうした中、新生ヤンゴン大学に日本研究の拠点を、という声があがりました。2014年8月に、本学とヤンゴン大学が国際学術交流協定を結んだのを機に、一気に実現の運びとなりました。
ミャンマーにおける日本語教育は、ヤンゴン外国語大学、マンダレー外国語大学で行われていますが、多くの学部、学科をもつ総合大学に変容しようとしているヤンゴン大学に「日本研究」の拠点が生まれることは、別の意味をもちます。さまざまな分野で日本研究が行われること、あるいは、多くの分野で日本に留学しようとする学生に日本語への「最初の一歩」を提供することになるからです。本学による、Global Japan Office の設置は、日本とミャンマーの大学の交流を活発化させるうえで、大きな貢献となることでしょう。
話は一気に進んだとはいえ、実は、その背後には、本学とヤンゴン大学との間の長年の交流があります。本学は、1981年にインドシナ語学科ビルマ語専攻を開設して以来、すでに30年以上にわたりビルマ語教育を行い、ミャンマーを専門とする人材を育ててきました。また、ヤンゴン大学国文学科から客員教授を招き、太い絆を築いてきました。奥平名誉教授だけでなく、現職の土佐桂子教授、岡野准教授も、ヤンゴン大学で学んだ経験を持ちます。ヤンゴン大学へのGlobal Japan Officeは、こうした長年にわたって培われてきた交流の産物ということができるしょう。
今後、設置が続く世界各地のGlobal Japan Officeも、同様の「長年の絆」があって、はじめて生み出されていくものです。
設置が続くGlobal Japan Office
淡江大学 Global Japan Office
Global Japan Officeの第二号は、2014年12月22日に設置された、台湾の私立大学、淡江大学内のオフィスです。開所式は、3月6日に挙行の予定です。
淡江大学でのGlobal Japan Officeの活動は、ヤンゴン大学とは少し異なります。むしろ、本学で日本語教育を学ぶ学生と、淡江大学で日本語を学ぶ学生の間の、ジョイントエデュケーションプログラムの実施拠点として、設置されました。今後は、日本紹介イベントや日本語補習の課外活動の提供なども計画されています。
SOAS(ロンドン大学)Global Japan Office
本学は2007年4月以来、英国ロンドン大学東洋・アフリカ研究学院(SOAS)にオフィスを構え、東京外国語大学とSOAS間における学術交流活動の促進、アジア・アフリカ研究・教育コンソーシアム(CAAS)に関する活動、事務職員国際化研修プログラムの実施などの活動を続けてきました。2015年2月2日、ここにロンドン大学(SOAS)Global Japan Office を置き、日本語教育・研究のサポート、学生交流、日本留学案内や日本紹介などの活動をさらに活発化させることを予定しています。
カイロ大学 Global Japan ”Desk”
カイロ大学におかれているのは、オフィスの一歩手前の、Global Japan Desk です。カイロ大学の日本語学科は、数年来、本学で日本語教育を学んだ若い人材を日本語教師として採用し、日本語教育を強化してきました。一方、本学は、カイロ大学から客員教員を招聘し、本学におけるアラビア語教育を続けています。このような関係から、本学とカイロ大学の間には、密接な関係が築かれています。今後、本学が送り出す日本語教員や本学からの留学生の貢献により、カイロ大のなかで日本紹介の催し物などを実施することを予定しています
2015年には さらに4拠点
2015年中にはさらに4つの拠点の設立が予定されています。ご注目ください。