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2014年の東京外国語大学を振り返る

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イランの子羊(写真:吉枝聡子)

立石博高学長より 新年メッセージ

今年は第二次世界大戦の終結から70年目を迎えます。

その戦火は文字通り全世界に拡大し、人類史上もっとも悲惨な戦争となりました。その犠牲者の数は、軍人・民間人を合わせて5000万~8000万人と推計されています。

「国際の平和および安全を維持する」ために国際連合が戦後ただちに設立されたのは、戦争を二度と繰り返さないという諸国民の強い意思の表れであったのです。

ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)もまた、再びこのような過ちに陥らないよう、教育と文化の振興を目的としてつくられた機関でした。ユネスコ憲章の前文にある「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」との文言は、その精神をみごとに表しているといえます。

1873年に東京外国語学校として建学された本学の歴史は、19世紀末から20世紀前半の時代に翻弄され、あるときは東京貿易殖民語学校へと校名変更するよう圧力を受け、第二次世界大戦の末期には東京外事専門学校と改称されました。

そして1949年、新制大学として新たなスタートを切ったときに本学は、伝統的な「東京外国語」という校名を保持しつつも英語名には「Tokyo University of Foreign Studies」を採用しました。加えて、「外国の言語とそれを基底とする文化一般につき、理論と実際にわたり研究教授し、国際的な活動をするために必要な高い教養を与え、言語を通して外国に関する理解を深めることを目的とする」として、本学の目的と使命を明確にしたのでした。

爾来、60有余年が経過していますが、グローバル化が進行するなかで、民族、エスニシティ、宗教、風習と生活などの差異を対立軸とするようなさまざまな軋轢や紛争、そして戦争が世界の各地で生じています。相手の文化に対する無知や無理解、さらには偏見や敵意がその根底にあるといえます。一方で、こうした対立を乗り越えるべく真摯な努力も積み重ねられています。その一つがユネスコによる動きで、2005年には「文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約」が採択されています。そこでは、「諸民族のあいだに架け橋を築くべく文化的な相互交流を発展させるためにインターカルチュラリティ(interculturality)を育成すること」が謳われています。そしてインターカルチュラリティとは「さまざまな文化の存在と公平な相互交流、そして対話と相互の尊重を通じて共通する文化表現を生みだす可能性」と定義されています。

本学は、昨年9月に「スーパーグローバル大学創成事業」の大学に選ばれて、言語研究と地域研究を二つの柱として日本のグローバル化を牽引する大学へと飛躍しようとしています。すなわち、「世界から日本へ、日本から世界へ―人と知の循環を支えるネットワーク中核大学―」という構想の実現です。こうした大切な局面にあるからこそ、第二次世界大戦の終結から新制大学の発足にいたる時期の「平和の砦」を希求するという瑞々しい理想を想い返し、しっかりと本学の目的と使命を再確認する必要があると考えます。そして最近のユネスコの動きも踏まえて、21世紀の東京外国語大学(TUFS)の目指す方向を次のように高らかに謳いあげたいと思います。

《TUFS Towards Interculturality through Language and Area Studies》

皆様のご支援とご協力をお願いします。

2014年の東京外国語大学を振り返る

12か月の出来事

1月

10日 TUFSグローバル・コミュニティ会合(パリ)

13日 アルカラ大学との学術交流協定及び学生交流協定締結

21日 駐日イラン大使、来訪・講演【上の写真】

22日 韓国外国語大学校総長、来訪

2月

7日 TUFS Short Stay Winter Program 2014 閉講式【上の写真】

22日 留学生日本語教育センター修了生の会

26日 市民聴講生修了式

3月

3日 東京農工大学と連携・協力の推進に関する基本協定締結

5日 駐日ブルガリア大使、来訪

13日 名古屋外国語大学と教育・研究等交流協定締結

20日 駐日セルビア大使、来訪

24日 ルーマニア文化院との学術交流協定締結

26日 平成25年度卒業式・学位授与式【上の写真】

31日 ニューヨーク州立大学オルバニー校学長、来訪

4月

2日 アジア経済研究所と連携・協力に関する基本協定締結

4日 平成26年度入学式【上の写真】

16日 ヤギェロン大学との学術交流協定締結

16日 チェンマイ大学副学長、来訪

16日 留学生日本語教育センター避難訓練

5月

10日 国際基督教大学とのアメリカンフットボール交流戦

15日 留学生歓迎交流会

21日 極東連邦大学(ロシア)との学術交流協定締結

23日 東京外国語大学創立百周年記念教育研究振興基金による緊急支援奨学金授与式

26日 アンカラ大学(トルコ)学長ら、来訪

28日 第101回学内競漕大会【上の写真】

6月

2日 神田外語大学と交流及び連携に関する協定締結

6日 モスクワ大学副学長代理、来訪

18日 「東京外語会奨学金」採用通知授与式

21日 駐日インドネシア共和国大使館特命全権大使、来訪

25日 韓国外国語大学校総長ら、来訪

26日 全国外大連合調印式【上の写真】

29日 「学生後援会総会」および「保護者への説明会」開催

30日 平成26年度長幸男アジア奨学金採用通知授与式

7月

2日 ショートステイ・サマープログラム2014開講

26日 平成26年第1回オープンキャンパス【上の写真】

30日 開南大学(台湾)人文社会学院長、来訪

8月

4日 平成26年度前期市民聴講生修了式

4日 TUFSグローバル・コミュニティ会合(ヤンゴン)

6日 ヤンゴン大学(ミャンマー)と国際学術交流協定締結【上の写真】

6日 外大東北復興支援隊に「第4回災害時ボランティア活動助成」贈呈

8日 カイロ大学(エジプト)日本語・日本文学科長、来訪

9月

5日 国費外国人留学生修了式

22日 駐日エル・サルバドル共和国大使館特命全権大使、来訪・講演

25日 平成26年9月卒業式・学位記授与式

26日 平成26年10月期外国人留学生入学式【上の写真】

26日 「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択

27日 2014年度留学生日本語教育センター修了生の会

30日 平成26年度秋季入学式

10月

1日 南部アフリカ開発共同体大使によるリレー講義開始

1日 企画展「AA研50年のあゆみ・所員の見たフィールド」開幕(~12月26日)

10日 第9回四大学連合文化講演会

15日 電気通信大学と連携・協力の推進に関する基本協定締結

15日 「クラクフにおける日本のふるさと-日本美術技術博物館mangghaの20年」ポスター展開催【上の写真】

15日 日本美術技術博物館manggha(ポーランド)館長、副館長、来訪

17日 カンボジアからチェム・ビチア外務国際協力省副長官、来訪

17日 「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」に採択

24日 AA研創立50周年記念講演・シンポジウム

25日 TUFSグローバル・コミュニティ会合(メキシコシティ)

27日 グアナフアト大学(メキシコ)と国際学術交流協定締結

11月

3日 第6回ホームカミングデイ&建学記念会

3日 企画展「東京オリンピックと外語の学生たち」開幕(~1月30日)

4日 エチェパレ・バスク院(スペイン)と国際学術交流協定締結

6日 全学一斉地震対応訓練(シェイクアウト訓練・安否送信訓練)

10日 附属図書館第15回特別展示会『周辺から読む現代社会」開幕(~12月19日)

18日 トルクメニスタン科学アカデミー写本研究所長ら、来訪

20~24日 第92回外語祭【上の写真】

22日 平成26年度第2回オープンキャンパス

23日 学生後援会主催「保護者への説明会」

22日 駐日イラン大使ら、来訪

12月

1日 附属図書館公開講演会「アフリカの紛争と平和構築」

2014年3月 本学を卒業した人たち

2014年3月、外国語学部から775人、大学院から140人(博士9人、修士131人)が本学を巣立ちました。学部卒業者の就職先は、次のようなところです。そろそろ「新入社員1年生」を終える卒業生の皆さん、いかがお過ごしですか?

7名 外務省
6名 日本放送協会(NHK)、三菱商事(株)
5名 (株)みずほフィナンシャルグループ、大和証券(株)
4名 カシオ計算機(株)、日本通運(株)、丸紅(株)、(株)三菱東京UFJ銀行、(株)三井住友銀行
3名 日本食研ホールディングス(株)、テルモ(株)、日本電気(株)(NEC)、(株)日立製作所、(株)IHI、トヨタ自動車(株)、三菱自動車工業(株)、全日本空輸(株)、(株)二葉、(株)近鉄エクスプレス、(株)JTB首都圏、(株)パレスホテル、東京都庁、(独)日本貿易振興機構
2名 (株)マルハニチロホールディングス、東洋エンジニアリング(株)、(株)伊藤園、アベイズム(株)、富士フイルム(株)、(株)ブリヂストン、三井化学(株)、(株)小松製作所、日立造船(株)、日本アイ・ビー・エム(株)、住友ゴム工業(株)、三菱重工業(株)、日産自動車(株)、いすゞ自動車(株)、(株)トンボ鉛筆、(株)朝日新聞社、(株)日本経済新聞社、(社)共同通信社、(株)広芸インテック、(株)光通信、グーグル(株)、ソフトバンクグループ、楽天(株)、(株)阪急阪神エクスプレス、ヤマト運輸(株)、日本郵便(株)、伊藤忠商事(株)、タキヒヨー(株)、三菱商事マシナリ(株)、三菱UFJ信託銀行(株)、日本マスタートラスト信託銀行(株)、りそなグループ、(株)横浜銀行、東神開発(株)、東京建物(株)、TMI総合法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、アビームコンサルティング(株)、(株)イデア・インスティテュート、(財)日本海事協会、(株)阪急交通社、(株)さなる、学校法人河合塾、(株)ICSコンベンションデザイン、防衛省機構
1名 三井海洋開発、日揮、サントリーホールディングス、三陽商会、共立印刷、出光興産、住商鋼管、クボタ、キヤノン、住友商事、野村貿易、三井物産、オンワード樫山、ファーストリテイリング、ヨドバシカメラ、JALマイレージバンク、損害保険ジャパン、東芝、岡村製作所、NTTデータ、河北新報社、新潮社、ソニーミュージックグループ、電通、帝国ホテル、ユーラシア旅行社、東京学芸大学附属高等学校、ベネッセコーポレーション、東北新社、東日本放送、読売新聞グループ、リクルートホールディングス、東日本旅客鉄道、伊藤忠アビエーション、興和、(独)国際協力機構、駐日フィリピン大使館、立川市役所(東京都)、新潟市役所(新潟県) 他

2014年4月 新入生を迎えました

4月、多くのフレッシュなメンバーを迎えました。

言語文化学部 405人
国際社会学部 408人
大学院総合国際学研究科 175人 が入学しました。
その結果、本学の2014年の在籍者は次のようになりました。(2014年5月1日現在)

言語文化学部
1年男子 101人
1年女子 290人
2年男子 128人
2年女子 294人
3年男子 133人
3年女子 242人 計1,188人

国際社会学部
1年男子 144人
1年女子 252人
2年男子 170人
2年女子 242人
3年男子 117人
3年女子 249人 計1,174人

外国語学部
1年 4人
2年 33人
3年 247人
4年 1,166人 計1,450人

大学院総合国際学研究科
博士前期課程 301人
博士後期課程 202人

2014年に定年、任期満了、転出などにより本学を去られた先生方

善如寺 俊幸先生(留学生日本語教育センター)
塚越 昌幸先生(保健管理センター)
西谷 修先生(大学院総合国際学研究院)

土屋 順一先生(留学生日本語教育センター)

内田 諭先生(世界言語社会教育センター、英語)

高野 正恵先生(英語学習支援センター)

クリスチャン・ダニエルス先生(アジア・アフリカ言語文化研究所)

受田 宏之先生(大学院総合国際学研究院)

石井 哲士朗先生(世界言語社会教育センター、ポーランド語)

キャロライン・エリザベス狩野先生(英語特任)

ムンフツェツェグ・タンガー先生(モンゴル語特任)

林 艶先生 (中国語特任)

ブアボーン・マライカム先生(ラオス語特任)

アウンチョーモク先生( ビルマ語特任)

2014年に赴任された先生方

久野 量一・総合国際学研究院准教授(ラテンアメリカ文学)
宮地 隆廣・総合国際学研究院准教授(ラテンアメリカ地域研究)
伊東 剛史・総合国際学研究院講師(イギリス近代史)
小田原 琳・総合国際学研究院講師(イタリア近現代史)
福嶋 千穂・総合国際学研究院講師(ポーランド史)
山越 康裕・アジア・アフリカ言語文化研究所准教授(言語学・モンゴル諸語)
児倉 徳和・アジア・アフリカ言語文化研究所助教(言語学・中国少数言語研究)
佐久間 寛・アジア・アフリカ言語文化研究所助教(人類学・アフリカ地域研究)
石澤 徹・留学生日本語教育センター講師(日本語教育学・音声学)
清水 由貴子・留学生日本語教育センター講師(日本語教育学)
鈴木 陽子・世界言語社会教育センター特任講師(英語担当)
古川 高子・世界言語社会教育センター特任助教
井之川 睦美・英語学習支援センター特定教員
柏崎 正憲・世界言語社会教育センター・特任助教
聞亭(ブンテイ)中国語特任准教授
ブレブジャブ・エルデネ・モンゴル語特任教授
タムマウィン・スリカン・ラオス語特任准教授
サイチョートゥン・ビルマ語特任准教授
ルシオ・マヌエル・ロッシャデソウザ国際社会学部特任准教授
ジョセフニール・ラグズデール英語特任講師
ロベルト・テッローシ・イタリア語特任教授
ナスリーン・シャキービー・モムターズ・ペルシア語特任講師
モハメド・オマル・アブディン特任助教

2014年 お亡くなりになった本学ゆかりの方々

1月20日

本学名誉教授、奈良 毅先生(ベンガルの言語・文化研究)享年81歳

2月2日

本学名誉教授、山之内 靖先生(経済史)享年81歳

4月3日

本学名誉教授 小野 正敦先生(フランス語学)、享年71歳

8月30日

本学名誉教授、黒柳 恒男先生(ペルシア文学)、享年89歳

9月6日

本学名誉教授、牧野 信也先生(イスラム学)、享年83歳

9月26日
本学名誉教授、奈良 文夫先生(ドイツ語学)、享年94歳

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