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「私が愛したシリア」~上映会 with シリア研究会~

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東京外国語大学では、映画配給会社等の協力を得て「TUFS Cinema」プロジェクトを行っています。10月21日には「第11回 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)難民映画祭」の学校パートナーズとして『目を閉じれば、いつもそこに~故郷・私が愛したシリア』を上映(無料)します。
今回のTUFS Todayでは、その背景をご紹介します。

TUFS Cinema 『目を閉じれば、いつもそこに〜故郷・私が愛したシリア』

日時:
2016年10月21日(金)17:40-19:40(開場17:15)

場所:
東京外国語大学 アゴラ・グローバル プロメテウス・ホール

プログラム:

  1. 映画『目を閉じれば、いつもそこに〜故郷・私が愛したシリア〜』本編上映(約1時間)
  2. トークセッション(約1時間)
    • 藤井沙織監督×青山弘之教授×シリア研究会(学生サークル)によるディスカッション
    • シリアの大学生とのテレビ電話交流について(シリア研究会による紹介、発表)

入場:
無料/先着順/申込み不要 定員:501 名

上映作品のあらすじ

2011年に始まった紛争によって、家族を失い家も街も破壊され、帰る場所を失ったシリア人。未だ収まることを知らないこの紛争は、かつて豊かだったこの国を、世界最大の難民発生国へと変えてしまった。それでもなお、ふるさと・シリアに帰りたいという想いを抱き続けている人々。紛争の裏側にある現実と、彼らの想いを伝える。

トークセッション

藤井沙織監督をお招きし、本学の青山弘之教授(専門:現代東アラブ政治)および学生サークル:シリア研究会と映画および現在のシリアについて語っていただくトークセッションを設けます。ふるってご参加ください!

ゲストのプロフィール

藤井沙織(ふじいさおり)監督

1984年生まれ、広島県出身。20代のときバックパックを背負い数十カ国を旅する。25歳の時訪れたチベットで同年代の女性の「もっと私たちのことを日本人に知ってほしい」という一言がきっかけで「伝える」ことを仕事にしようと番組制作会社へ入社。戦争関連報道に携わる中、戦争と平和についての本質に迫りたいと考えるようになる。2013年、フリーとなり国内の戦争体験者の声を伝える活動を続けるとともに、シリアの紛争にも関心を持ち、ヨルダンと日本を往復しながらシリア人の声を届け続ける。

青山弘之(あおやまひろゆき)教授

1968年生まれ、東京都出身。東京外国語大学大学院総合国際学研究院(国際社会部門・地域研究系)教授。1991年東京外国語大学外国語学部アラビア語学科卒業。1998年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。2008年東京外国語大学に准教授として着任。2013年より現職。元日本中東学会特任理事(日本中東学会年報編集委員長)。専門は、東アラブ(シリア、レバノン)政治。アラブ民族主義思想。

学生サークル:シリア研究会

東京外国語大学を活動拠点に、日本語を学ぶシリア現地の子供たちや大学生と交流を行う、大学公認サークル。「遠く離れた日本について興味を持ってくれているシリア人に少しでも手助けしてあげたい。それが、アラビア語を学び、アラブが好きになった私たちだからできることではないか。」そんな思いから、ダマスカス大学と提携してオンライン授業プロジェクトを始め、今ではヨルダンにある難民キャンプと日本の子供たちの手紙交換や、中高生への出前授業など、アラビア語を学んでいる私たちの立場からできることを実践しています。「日本と関係の遠いように感じてしまうアラブの国々。テロのイメージにとらわれてしまうこともあるかもしれません。ですが、現地に行けば、様々な思いを抱える彼女たちは、素晴らしい文化のもとでたくましく生きています。ダマスカスの大学生たち、ヨルダンの子供たち…ひとつひとつの出会いを大切にしながら、学生だからできる草の根の交流を続けていきます」。2012年4月設立。2014年4月より公認サークル。

UNHCR難民映画祭とは

毎年世界中から集められた数々のドラマやドキュメンタリー映画を通じてUNHCR難民映画祭は難民や国内避難民、無国籍者等に関する啓発に励んでいる映画祭です。本映画祭は大作から独立系までの様々な種類の作品のセレクションを通じて、人々のおかれた状況や文脈、恐怖や喪失、希望や成功、絶望や勇気、そして困難を生きぬく力について描かれた作品を紹介しています。

ここで、本学「シリア研究会」の活動をご紹介します。

今年4月に東京都原宿のギャラリーで写真展を開催しました。写真展は、朝日新聞などでも取り上げられて話題となりました。シリア研究会の学生に、写真展の感想をインタビューしました。

日時 2016年4月23日(土)24日(日)11:00~19:00
場所 原宿 デザインフェスタギャラリー WEST 1-F
主催 東京外国語大学シリア研究会
助成 片倉もとこ記念沙漠文化財団

——なぜ写真展を開催しようと思ったのですか?

日本で聞くシリアについてのニュースは、紛争のニュースに限られています。そのため、ほとんどの人はシリアと聞いた時、まず最初に紛争を思い浮かべるでしょう。しかしシリアには、一人一人の人々の生活、美しい街並みや景色があります。このようなシリアの紛争以外の面を皆さんに知って欲しかったため、写真展を開催しました。私たちは、よく知らないものに対して漠然と怖いといった感情を持ってしまいますが、相手について知り、自分に引きつけて考えることで、心の距離を縮めることができると考えるからです。

——どのような写真を展示したのですか?

写真展開催当時の、シリアの様子を撮った写真や、紛争前の風景と街並み、人々を撮った写真を展示しました。具体的には、スーク、公園、ジャスミンの花と街並み、モスク、人々の食事風景、遺跡など、シリアの日常生活や文化を垣間見られる写真を選びました。

——カメラマンは?

ダマスカスの大学で日本語を勉強している学生や、紛争前にシリアを訪れた日本の方に写真を送っていただきました。

——反響はありましたか?

新聞でも紹介していただき、また開催場所が原宿ということもあり、通りがかりの若者など多くの方が来てくださいました。ある方は、シリアについて全く知りませんでしたが、この写真展で少し身近に感じることができました、これからも頑張ってくださいと直接言ってくださり、とても嬉しかったのを覚えています。このように少しずつ、ニュースでは知ることのできないシリアの姿を知ってもらうことが私たちシリア研究会の役割の1つなのだと思いました。

——ありがとうございました。今後の活動も期待しています!


上映会会場(東京外国語大学)へのアクセス

◆JR中央線「武蔵境」駅のりかえ 西武多摩川線「多磨」駅下車 徒歩5分
◆京王電鉄「飛田給」駅北口より多磨駅行き京王バスにて約10分「東京外国語大学前」下車

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