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最新10件

マクロン仏大統領、アルジェリア戦争時の拷問を認め、謝罪

2018/09/18/Tue

 9月13日、マクロン仏大統領は、1957年にアルジェでフランス軍に拘束され行方不明となったモーリス・オダン(Maurice Audin)の死について、軍の責任を認め、未亡人に謝罪した。数学者でアルジェ大学教授であったオダンは、共産主義者でアルジェリアの独立を支持し、FLN(アルジェリア民族解放戦線)とも繋がりがあった。マクロンは、Audinがフランス軍に拘束されたうえで拷問を受け、それによって死亡した、もしくはその後処刑されたとして、共和国の名において責任を認め、87歳の未亡人に面会し謝罪した。 今回の謝罪が実現するには長い時間がかかっている。2007年に未亡人がサルコジ大統領に手紙を書いたとき、返答はいっさいなかった。一方、フランソワ・オランド前大統領は、2014年6月18日、オダンは公に言われているように失踪したのではなく、拘禁中に死亡したと発言した。今回の謝罪の手紙と面会は、その延長線上にある。マクロンは、共和国議会の投票によって導入された「特別権力」のため、「逮捕・拘禁」システムが出来上がり、それがこの悲劇を招いたと説明した。軍の責任を認めつつも、軍だけでなく議会の決定で導入されたシステムの問題だと述べたわけである。 今回の措置により、フランスがアルジェリアの独立を阻止するため、拷問を含めた非人道的な措置を広範に用いていたことがはっきりした。14日のルモンド紙の社説では、マクロンが決定的な一歩を踏み出したとして、アルジェリア戦争の過去を明らかにすることは、フランス・アルジェリア両国の和解にとって不可欠だし、アルジェリアにも同様の行動を促すことになるとして評価した。アルジェリア側は公式には目立った反応をしていないものの、総じてマクロンの行為を評価する声が目立つ。一方、極右政党の国民戦線は、国民を分断させる行為だとして大統領を強く批判した。 自国の暗い過去を明らかにすることは、簡単ではない。それは指導者の決断がなければできないことである。しかし、ルモンド紙が指摘するように、これはフランス・アルジェリア間の真の和解を達成するには不可欠の行為と言えるだろう。マクロンは就任前から、植民地主義を人道に反する罪だと述べるなど、植民地統治の関わる問題について積極的に発言してきた。この勇気ある行動が、フランスとアルジェリアの相互理解と過去の克服に繋がることを願う。

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コンゴ民主共和国の大統領選挙

2018/09/10/Mon

9月3日、コンゴの憲法裁判所は、ジャン=ピエール・ベンバに対して12月23日に予定されている大統領選挙の立候補資格を認めない判決を下した。理由は、ベンバがICCにおいて証人買収容疑で起訴されているため。8月にベンバが立候補届を提出したのに対して、選挙委員会(CENI)が立候補資格を認めない決定を下し、それに対してベンバ側が憲法裁判所に訴えていた。この判決により、ベンバの大統領選挙への立候補資格は最終的に認められないこととなった。 ベンバは、2002-03年に彼が指導していた反政府武装勢力(MLC)が中央アフリカで行った残虐行為の責任を問われてICCで起訴されていたが、6月に無罪判決が下された。しかし、彼は2018年3月、ICCによって、商人を買収した容疑で懲役1年、罰金30万ユーロの判決を受けている。ベンバ側はこの件について、9月17日に上告する意向を明らかにしている。今回、憲法裁判所は、この起訴を理由としてベンバの立候補資格を認めなかった。 今回の憲法裁判所判決によって、ベンバの大統領選挙への道は閉ざされた。もう一人の有力候補であるカトゥンビ(前カタンガ州知事)は、8月に立候補届を提出しようとザンビア国境から入国を試みたが、警官隊などの妨害により果たせなかった。結局、ベンバとカトゥンビという2人の有力候補はいずれも大統領選挙に参加できないこととなった。 カビラは8月8日、後継者としてラマザニ・シャダリ元内相を指名したが、有力なライバルを排除した選挙でラマザニ・シャダリが当選させ、自分が陰で操るつもりだとの見方が強まっている(例えば、8月31日付Africa Confidential)。

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中国・アフリカ協力フォーラムをめぐって

2018/09/08/Sat

 9月3-4日、北京で中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)が開催され、エスワティニ(スワジランド)以外のアフリカ53か国が出席した。会議において、習近平主席は総額600億ドルの対アフリカ支援を約束。これは3年前にヨハネスブルクで開催されたFOCACでの支援約束額と同じである。 中国のアフリカにおけるプレゼンスを反映して、FOCACは世界的な関心を集めた。多くの報道が、中国にとって近年アフリカの重要性が増したと指摘している。ルモンド紙は、一帯一路政策がマレーシア、スリランカ、ミャンマーなどアジアで批判を浴びるにつれて、中国はアフリカへの伸長を打ち出すようになっており、ジブチへの軍事基地設置もその文脈で捉えるべきだと指摘している(9月4日付)。習近平は過去5年間で4回アフリカ大陸を訪問しており、その重要性を強く認識していることがわかる。中国と米国との軋轢が注目を集める状況下、FOCACは戦略的な側面でのアフリカの重要性を再認識させたと言えるだろう。 一方、FOCACなどでアフリカに大規模な援助を供与することに対しては、中国国内に批判的な声がある。4日付FT紙は、そうした批判的な声がソーシャルメディアに掲載され、すぐに当局によって削除されたと報じている。 とはいえ、中国はアフリカに援助の大盤振る舞いをするという姿勢から、アフリカへの自国企業進出を後押しするという政策へ転換しつつあるようだ。今回のFOCACに際してもアフリカ諸国の対中国債務増大の危険性がしばしば指摘されたが、中国自身その点には自覚的である。 中国民間企業のアフリカ進出は非常に活発である。4日付ファイナンシャルタイムズ(FT)紙には、米国シンクタンクAtlantic Councilの研究員が、アリババを例に挙げて、中国ハイテク企業のアフリカ進出が急速に進んでおり、ローカルの企業家との間に密接な関係を築きつつあることを指摘するオピニオンが掲載された。米国のなかにも、アマゾンなどハイテク企業のアフリカ進出が中国企業に比べて出遅れているという認識がある。ジャック・マーの名前はアフリカでも非常によく知られている。FOCACは政府が旗を振るイベントだが、中国民間企業のアフリカ進出が急速に進んでいることにも留意すべきである。

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ドス・サントス前大統領、遂に党総裁の地位からも降りる

2018/09/08/Sat

アンゴラ与党MPLA(アンゴラ解放人民運動)は9月8日付でホームページにて党総裁の交代を発表した。昨年9月、ローレンソ大統領が就任してからも、ドス・サントス前大統領は党総裁の地位を維持してきたが、本年9月8日の党大会にてローレンソ大統領が党総裁に選任され、ドス・サントス氏は党のトップの地位も降りるとなり、後任の総裁はローレンソ大統領となった。党総裁の交代は、昨年来、予想されていたものである。1979年以来、長期にわたり国を動かしてきたドス・サントス氏は、政府の指揮権と党の指揮権の双方を後任に譲り渡したことになる。

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アフリカで拡大する肌の漂白

2018/09/07/Fri

9月2日、AFPはアフリカで拡大している肌の漂白クリームについての記事を掲載した。この記事によれば、米ノースカロライナセントラル大学の研究者ヤバ・ブレイ氏は、「肌の漂白は、白さと共に権力や特権を手に入れようとする人々の意識の表れだ」と指摘しているとし、特に10代の若者の間で肌の漂白が大幅に増加する傾向にあると報じている。WHOは2011年、ナイジェリアだけでも女性の77%が漂白クリームを使用していると推定している。 漂白クリームは皮膚の異常を引き起こすだけでなく、腎臓、生殖器に損傷を与えると指摘されており、がんを引き起こし、神経系に影響を及ぼし、胎児をむしばむ危険性があるとされている。近年では漂白クリームだけでなく、胎児の肌を白くするための錠剤も違法に流通している。ガーナでは違法薬物の使用増加を受け、妊婦への警告を発している。この違法薬物は、胎児の四肢や内臓の損傷を含む先天異常を引き起こす可能性があると指摘されている。 一方で、肌の漂白への批判の高まりもみられ、ガーナでは今年の2月、激しい訓練中に出血する可能性があるとして、入国管理局の採用試験で漂白クリーム使用者を失格とすることが取り決められた。世界的にみれば、インスタグラムでは黒い肌をたたえるハッシュタグ「#Melaninpoppin(メラニンは美しい)」が話題となっており、フェイスブックではアフリカの美しいファッションを配信する「african fashion」のフォロワー数が24万人を超えている。また、2018年公開の映画「ブラックパンサー」が大ヒットし、色彩豊かな衣装と黒人俳優のありのままの肌の美しさが評価された。しかし、漂白クリームの使用拡大の様子から、アフリカではいまだ白い肌を称賛する傾向が強いといえる。

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中央アフリカとロシア

2018/08/31/Fri

 8月29日付ルモンド紙によれば、セレカとアンチバラカに由来する中央アフリカの武装勢力が、ロシアとスーダンの仲介により、8月28日ハルツームで会談した。もともと武装勢力は、AUの仲介により、27-30日に中央アフリカ西部の街ブワル(Bouar)で会談をすることになっていたが、AU主導の和平交渉よりロシアとスーダンが主導する交渉を選んだ模様である。 ロシアは最近、中央アフリカとの関係を急速に深めている。8月21日には中央アフリカと軍事協力協定を締結し、国軍の養成を担うこととなった。同日付ルモンド紙は、ロシアが今年初めから中央アフリカに5人の軍士官と170人の民間人教官を送り、国連から武器禁輸例外措置を取得した後、国軍に武器を調達したと報じている。また、これらの民間人教官は、近年シリアでも活動している、ロシアの民間軍事企業ワグナー(Wagner)に関わりがあると見られている。7月末には、ロシア人ジャーナリスト3名が中央アフリカで殺害されたが、彼らはワグナーの活動を調査していたとのことである。  中央アフリカは2013年以来、全土で治安が確立できない状況が続いており、その背景の一つとして、大規模にコミットする外部アクターの不在が指摘できる。旧宗主国のフランスでさえ、サンガリス作戦を終結させるなど、軍事面でのコミットに及び腰になっている。こうした中でロシアの積極的な姿勢は注目されるが、そこには武器輸出をはじめとする国益への考慮があるようだ。ロシアという新たなアクターの関与が中央アフリカにどのような影響を与えるのか、注視が必要である。

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南アの土地改革とトランプ氏のツイート

2018/08/24/Fri

 22日、米国のトランプ大統領は「ポンペイオ国務長官に対して、南アの土地・農場の収奪、そして農民の大量虐殺についてよく調査しろと命じたところだ。南ア政府は白人農場の土地を奪っている」とツイートした。これに対して南ア政府は即座に「わが国民の分断だけを意図し、植民地主義の過去を彷彿とさせるこの認識を全面的に拒絶する」とツイートを返した。23日南ア政府は、トランプ大統領の意図について米国大使館を通じて説明を求めることを明らかにした。 24日付ファイナンシャルタイムズ紙によれば、トランプ氏のツイートはフォックスニュースの番組で南アの土地問題が取り上げられた後になされたもので、この番組では、コメンテーター(Tucker Carlson氏)が南アがすでに土地を無償で取り上げられるよう憲法を改正した(実際にはまだ改正していない)と誤った情報を述べ、ラマポサ大統領を「レイシスト」だと発言した。 南アの農場で白人が虐殺されているという主張は、南アの白人ナショナリストグループが繰り広げているものだが、南アの農民組織AgriSAは5月、農場での殺害件数は近年ここ20年間で最低水準にあるとの声明を出している。一方、アフリカーナーの極右グループが組織するAfriforumは、近年米国の「オルト・ライト」の活動家との関係を強化し、SNS上で"WhiteGenocide"ハッシュタグを使って南アに関する議論に参入しているという。Afriforumの指導者Kallie Kriel氏は、トランプ氏のツイートを歓迎し、フォックスニュースのコメンテーターにも謝意を表した。23日、米国国務省スポークスマンは、南アの「補償なしの土地収用」(appropriation without compensation)政策に懸念を表明している。 一方、南アのラマポサ大統領は、23日付のファイナンシャルタイムズ紙に寄稿し、土地改革の正当性と必要性を訴えている。強調しているのは、極端な土地所有の不平等が解消せず、貧困削減が進まないために経済成長が阻害されていること、恣意的な土地所有権の剥奪を防ぐために憲法改正によって土地改革プロセスを透明化すること、未利用地や遺棄された建物、完全に投機目的の所有地など「補償なしの土地収用」ができる条件を明確化することなどで、ランドグラブではないと強く主張している。 フォックスニュースの偏向した報道に基づくトランプ氏のツイートは、結果として南ア政府の取り組みの正当さを宣伝する結果になったように思われる。とはいえ、このツイートを受けて南アの通貨ランドは値を下げたし、ANCが進めようとしている土地改革がきわめてセンシティブな問題であることも事実である。アフリカーナーの極右とEEFのようなポピュリスト政党の間で、ラマポサ政権は難しい舵取りを迫られている。

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モザンビークでメディアに新課税

2018/08/22/Wed

8月21日付ルモンド紙によれば、モザンビーク政府はメディアやジャーナリストに対する新たな課税を決定した。ルポルタージュの認可に1500ユーロ、外国通信社の年間登録料7300ユーロ、国際メディアに協力するモザンビーク人に450ユーロといった具合でかなりの高額。この決定は7月末、広く知られずに閣議で決められ、8月22日以降に有効となる政令で発布された。アムネスティ・インターナショナルは、「ジャーナリストに対する明白な抑圧」だと批判している。新課税の背景として、近く予定されている地方選挙で政権与党のFRELIMOが劣勢であることが理由だとも推測されている。モザンビークでは数年来政府に批判的なジャーナリストへの抑圧が目立っており、3月には首相の息子の生活をTVで批判したジャーナリストが誘拐され、暴行を受ける事件が起こった。モザンビークで近年FRELIMO政権が強権的な姿勢を強めていることは様々な形で報道されているが、今後は報道自体が減少するかもしれない。

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マリ大統領選でIBK勝利

2018/08/17/Fri

8月12日に行われたマリ大統領選挙第2回投票の結果が発表され、予想通り、現職のイブラヒム・ブバカール・ケイタ(IBK)がスマイラ・シセを破って当選した。IBKの得票率は67.17%で、前回(2013年)より10%ほど下がった。投票率は34.54%で、第1回投票の43.06%からさらに下がった。7月30日付本欄でも触れたが、マリの現状には課題が山積している。投票率の低さを人々の政治不信の表れとして懸念する声も多い。16日付ルモンド紙は、IBK当選を受け、マクロン仏大統領が電話で祝意を表したと報じているが、誰もが問題はこれからだと考えていることだろう。

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サミール・アミン死去

2018/08/16/Thu

8月14日付ルモンド紙は、12日にサミール・アミンが死去したと報じた。アミンは1931年カイロ生まれ。父親はエジプト人、母親はフランス人で、双方とも医者であった。幼少期から青年期にかけてエジプト北部、地中海沿岸の街ポートサイードで暮らす。父が貧困層に無償で医療を提供するなど、社会的問題意識の強い家庭に育った。主としてフランスで教育を受け、博士論文『世界的規模での資本蓄積』は1970年に公刊されると、世界的な評価を得た。長くダカールの経済開発・計画アフリカ研究所(IDEP)所長を務める。カルドーソやウォーラーステインらとともに、従属論、世界システム論の代表的な論者。14日のラジオ・フランス・インターナショナルのアフリカ向けニュースでは、彼の死がトップで報じられた。

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