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今日のアフリカ

最新10件

7月12日、南スーダン国民議会は、サルヴァ・キール大統領の任期延長を認める法案を通過させた模様。これにより、2015年7月に3年延長された現下の大統領の任期は、再度3年延長されることとなり、キールは2021年8月まで現職に留まることが可能となった。

先日の「今日のアフリカ」で述べたとおり、先月下旬、マシャール前第一副大統領が2016年7月の軍事衝突以来はじめて政治の表舞台に復帰した。その後、エチオピア、スーダン、ウガンダといった周辺国の仲介に支えられるかたちで停戦協定が結ばれるなど和平協議の成果が積み重ねられた。

今般の大統領任期の延長に対して野党は、このような新たな局面にある南スーダンの和平協議に悪影響を及ぼすとして非難している。

なお、パウリノ・ワナウィロ南スーダン司法・憲法問題大臣は、今般の延長は、大統領の任期が終了した際に正統性が失われることを回避するために必要だ、とこれを正当化している。

南スーダンの和平を巡っては上述したように、新たな局面にあるものの他方で懸念も少なくない。マシャールをどのような立場で南スーダン政府に復帰させるかといった点や、権力分掌といった難問は依然として未解決のままであり、周辺国を巻き込んだ政治交渉がどのように展開されるか注目される。

2018/07/13/Fri南スーダン国民議会がキール大統領の任期延長を承認

エチオピアのアビィ首相は8日からエリトリアの首都アスマラを訪問していたが、9日、イサイアス大統領とともに、戦争終結宣言に署名した。国境紛争をきっかけに、両国は1998~2000年に激しい戦争を戦い、約7万人の戦死者を出した。その後もエチオピアが和平協定を受け入れず、正式な戦争終結に至っていなかった。9日には、正式な戦争終結を宣言するとともに、航空便の乗り入れや、エチオピアがエリトリアの港湾を利用することも合意された。両国間の緊張緩和は、ソマリアや南スーダンなど、近隣地域の政治情勢にもプラスの影響を与えるだろう。9日付ルモンド紙によれば、今回の両国の接近は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、そして米国が後押しをしたという。また、エリトリアがエチオピアとの和解を受け入れた背景には、オロモ出身のアビィ首相に接近することで、宿敵TPLFの勢力を削ぐ思惑があるとの報道もある。大きな決断の背景には当然様々な思惑があろう。当面は、両国の蜜月がどのような影響を周辺地域に及ぼすのかを見守りたい。

2018/07/10/Tueエチオピア、エリトリア戦争正式に終結

7月1日と2日、モーリタニアの首都ヌアクショットでAUサミットが開催された。一方マリでは、明らかにそのタイミングを狙ったテロ事件が発生した。6月29日、セヴァレ(マリ中部)の「G5サヘル」司令部に対する攻撃があり、7月1日にはガオ(マリ北部)でフランスの部隊(Barkhane作戦)への攻撃があった。いずれもイスラーム急進主義勢力が関与していると見られる。セヴァレ付近は、2017年3月に「マグレブ・イスラームのアルカイダ」(AQIM)と複数の組織が統合して誕生した武装組織「イスラームとムスリム支持グループ」(GSIM)の主たる活動領域となっている。この2つの事件が示すように、マリ情勢は改善していない。フランスのテコ入れによって「G5サヘル」(モーリタニア、マリ、ブルキナファソ、ニジェール、チャド)合同軍が活動を開始したが、目立った成果を生んでいない。AUサミットにはマクロン仏大統領も出席し、G5サヘルの首脳と会談して連携強化を確認したが、マリ情勢が好転する兆しは依然として見えない。

2018/07/07/SatAUサミットとマリ情勢

ルモンド紙の報道によれば、6月26日~7月10日に北京で、人民解放軍が中心になって、防衛・安全保障に関する中国・アフリカフォーラムが開催される。フォーラムの第一の目的は、アフリカ軍に対する協力と資金援助メカニズムを設置することだが、武器輸出の促進という目的もある。SIPRIによれば、中国製の武器販売は、習近平政権になった2013年以来、55%の増加を示しており、また2017年にはジブチに最初の軍事基地を開設するなど、軍事面でもアフリカとの関係を強化している。一方中国は、国連のPKOにおいても存在感を強めており、2018年4月末現在で2500人の兵員を提供している。これは世界第11位で、常任理事国では群を抜いて高い。中国はアフリカに対して、経済面のみならず、軍事面、政治面でも関係を深めようとしている。

2018/06/29/Fri中国・アフリカ

西サハラの法的地位をめぐる問題は長期間にわたって出口の見えない膠着状態に置かれてきたが、近年その状況を変える可能性がある重要な動きが起こっている。2017年1月にモロッコがアフリカ連合に復帰したのはもとより重要な動きだが、6月23日付のファイナンシャルタイムズ紙は、今年に入って出された2つの裁判所の判決を取り上げている。
 第1に、2018年2月27日に欧州司法裁判所(European Court of Justice)が出した決定である。この決定は、EUとモロッコの間で結ばれた漁業協定について、それが「EUとモロッコ王国との間の関係を規定しうる一般的な国際法のルール、とりわけ自決原則に反する可能性がある」とした。すなわち、西サハラ沖で水揚げされた魚をモロッコ産として扱うことは国際法上問題があるという根本的な疑問を提示したわけである。
 第2に、同じく今年2月に出された南アフリカの裁判所による判断である。ECJの決定の数日前、南アフリカ裁判所は、西サハラから出荷されたリン鉱石の積み荷が、採掘地域に主権を有するサハラアラブ民主共和国(RASD)に帰属するとの判決を出した。このリン鉱石は、モロッコの国有リン鉱石会社OCPによる積み荷でニュージーランドに向かうところだった。
 沿岸漁業の水産物にせよ、リン鉱石にせよ、モロッコの重要な輸出産品であり、日本とも関係が深い。これら産品の取引において、RASDの存在を意識せざるを得ない状況が生まれたといえる。RASDはこれらの判決を足掛かりに外交的地位を認めさせるべく、国際社会への働き掛けを強めている。モロッコとの間で外交的綱引きが強まることになろう。

2018/06/25/Mon西サハラ問題

アビィ新首相の登場後、エチオピアをめぐる国際関係が急展開している。20日、アジスアベバで南スーダンの大統領と反乱軍トップが会談したが(「今日のアフリカ」2018年6月21日)、同日エリトリアのイサイアス・アフェウォルキ大統領は、今月5日のエチオピア首相の和平の申し出を前向きに受け止め、アジスアベバへ使節を送る意向を示した。エリトリアは、エチオピアからの脅威を内政締め付けの理由づけに用いてきたため、エチオピアからの申し出に冷淡な態度をとるのではと見られていた。それだけに、エリトリアの好意的な対応は意外感を持って受け止められている。
 エリトリアの対応について、6月20日付ルモンド紙は、同国にとって外交的孤立のコストが高くなりすぎたという点の他に、TPLFとの関係を理由として挙げている。エリトリアが最も厳しく対立してきたのは、エチオピアのEPRDF政権のなかでもTPLF(ティグレ人民解放戦線)であった。TPLFは1991年の内戦、政権奪取の過程で、連合組織であるEPRDFを主導してきた。そのため、ティグレ人は人口としては比較的少数であるにもかかわらず、EPRDF政権下で中心を占めてきた。しかし、それに対する不満から反政府運動が激化し、今年2月のハイレマリアム首相の辞任とアビィ新首相就任に至ったわけである。アビィは、EPRDF政権で初めてオロモ出身である。エリトリアとしては、アビィの申し出に好意的に応えることで、TPLFの影響力をさらに引き下げる狙いがあるというのがルモンド紙の分析である。
 エチオピアは、エリトリアだけでなく、ナイル川の水問題を巡って対立していたエジプトに対しても関係改善のアプローチをしている。この動きについてルモンド紙は、サウジアラビアの影響を指摘している(6月13日付記事)。サウジアラビアは、イエメン内戦への関与を深めるにつれて、スーダン、エリトリア、ジブチなどアフリカの角地域にも影響力を確保しようとしているという。
 エチオピアを中心に、アフリカの角地域の状況が大きく変化する可能性がある現在、念頭に置くべき重要な情報といえよう。

2018/06/23/Satエチオピアをめぐる国際関係

6月20日、アディスアベバにて、サルヴァ・キール南スーダン大統領とリエク・マチャール前第一副大統領が面談した。両者の面談は、2016年7月にジュバで戦闘が生じ、マチャール率いる勢力(SPLA/M-IO)がキール率いるSPLA/Mに軍事的敗北を喫して同国を脱出して以来、おおよそ2年ぶりとみられる。

この面談は、アビィ・アフマドエチオピア首相の立会いのもとで実現した。アビィはこの面談について「南スーダンで続く困難に直面し、エチオピアはただ傍観するだけでいられない。さらなる働きかけにより、同国の平和は実現可能」とツイートし、南スーダンの和平実現に対し、外部の関与が重要な役割を果たすとの見方を示した。

上述の戦闘勃発直後、マチャールは第一副大統領職を罷免され、南アフリカで軟禁状態にあったことから長らく政治の表舞台から遠ざかっていた。今般のアビィの仲介によるキール-マチャール面談の実現は、和平協議の枠組みにマチャールを取り込むかたち、すなわち、より包括的な和平調停の実現に向けた第一歩として評価できる。

他方、その後の報道によれば、同面談の結果にアビィは失望したと言われている。両者は重要な権力分掌の問題については議論せず、代わりに2016年7月の戦闘における責任問題について言葉を交わし、また、キールはマチャールに対して第一副大統領復帰を諦めるようにも述べたと言われている。

紙上の形式的合意だけでは何ら意味がないことははっきりしており、今後継続する和平協議においては、双方にとって納得可能、履行可能な和平合意締結が望まれている。そのためには調停国の継続的な関与が今後も必要となるだろう。

2018/06/21/Thuキール南スーダン大統領がマチャール前第一副大統領と面談

6月12日、BBCはジンバブウェやナミビア、南アフリカ、ボツワナ、ザンビアなどで現存するバオバブの古木(樹齢1000年から2500年)が大量に枯死していることを報じた。過去12年のうちに最も古く大きいバオバブのほぼすべてが枯死したと報告されており、その原因は不明とされる。疫病などの可能性はなく、とくに南部アフリカに影響を及ぼしている気候変動が一部関係している可能性があるとされる。

アフリカ大陸ではこのほかにも気候変動の影響とされる環境変化の事例が報告されている。たとえばモロッコでは、気候変動の影響から降水量が減少し砂丘が拡大したことで、20世紀のあいだに国内の3分の2のオアシスが消滅したと指摘されている。

近年、アフリカ諸国の科学者たちが気候変動に関する議論を重ねている。2017年にはアフリカの気候変動に関するワークショップが初めて開催され、アフリカの20の国から80人以上の環境学者が参加し、気候変動メカニズムに関する研究成果を報告した。次回は2019年の開催を予定している。また今月タンザニアで開催された気候変動会議では、医療寄生虫学者や政治学者らが、気候変動によって病気の蔓延や貧困拡大が生じる可能性を示し、アフリカ諸国の政府へ早急な対応を呼びかけた。

気候変動に関してはこれまでも議論されてきたが、近年の干ばつの発生や急速な人口増加も相まって、アフリカ諸国の関心が高まっている印象を受ける。

2018/06/14/Thuアフリカにおける気候変動の議論

 6月8日、国際刑事裁判所(ICC)で元コンゴ民主共和国副大統領のJ-P. ベンバに関する上告審が行われ、無罪判決が言い渡された。ベンバは、コンゴ内戦中、反政府武装勢力MLCの指導者であったが、2002-03年に隣国中部アフリカが政治的混乱に陥った際、当時の同国大統領パタセの求めに応じて、配下の兵士を同国に派遣した。その兵士が中央アフリカで犯した暴行やレイプなど非人道的行為に対して、ICCが訴追し、ベンバは2008年にベルギーで逮捕された。配下の兵士による犯罪を問われたわけである。2016年の第一審はベンバの責任を認め、懲役18年の判決を下した。これに対してベンバ側が上告し、無罪判決が出たのである。
 ベンバの無罪判決は、ICCにとって大きな痛手だとの報道されているが、コンゴ内政に対しても甚大な影響を与えるだろう。コンゴでは2016年に任期が切れた後も、選挙が実施できないとの理由で、カビラが大統領の座にとどまり続けている。しかし、国内野党勢力や国際社会は、今年末には選挙を実施するよう強い圧力を加えている。2006年の大統領選挙の決選投票でカビラと争った実績があるベンバが無罪判決を得たことで、様々な形でコンゴ政治への関与が始まるであろう。有力な野党指導者の一人カトゥンビは、ベンバの無罪判決を歓迎し、野党勢力を強化するだろうとコメントを出した。この先、どのような形で選挙に向けたプロセスが進むのか、注目される。

2018/06/09/SatICC無罪判決のコンゴ民主共和国への影響

6月7日、ブルンジのンクルンジザ大統領は、2020年の選挙に出馬しないと発表した。ブルンジでは5月に憲法改正レファレンダムが実施され、ンクルンジザは2034年まで大統領の座に留まることが可能になっていた。新憲法を発布した直後にンクルンジザが次期選挙へ出馬しない旨を明らかにしたことで、国内外に驚きが広がっている。ブルンジは、2015年以降、ンクルンジザの三選問題をめぐって政治状況が混乱し、事実上の紛争状態に陥っている。今回の憲法改正は、自身の三選を正当化するとともに、今後も大統領の座に留まることを意図したものと受け取られてきただけに、不出馬表明をどこまで信じることができるかは不透明である。しばらくは注意深い観察が必要である。

2018/06/08/Friブルンジ大統領の不出馬宣言