アフリカネーションズカップの白熱
2022/01/31/Mon
2年に1度のサッカーの祭典であるアフリカネーションズカップ(AFCON)が、準決勝進出者を決め、コロナ禍での様々な制限の中で、盛り上がりを見せている。今回の大会は、COVID-19の影響で1年遅れ、来場者数を制限しての開催となる。
AFCONはアフリカにおいてワールドカップに次ぐサッカーの主要大会であり、参加する多くの選手がヨーロッパを中心とした海外のクラブに所属しているため、海外からの注目も増々大きくなっている。一方で、開催時期がヨーロッパでのリーグ戦にあたることも多いため、アフリカ出身の選手とヨーロッパクラブの間で摩擦も引き起こしてきた(The Conversation 1月25日)。今回は特に、オミクロン株による渡航制限もあったため、開催が危ぶまれてきた。
サッカーは多くのアフリカ諸国にとって最も人気のあるスポーツであり、開催地にとっての効用は経済的な側面だけではなく、政治的な面にも及ぶとされる。今回の開催地であるカメルーンは少数派である英語話者を中心とした分離独立運動が続き、政治的な不安定さを抱える。今回も開催前に開催予定都市リンベで、分離主義者が爆発装置を作動させ6人が負傷する事件が起こされた。このような中で、サッカーはナショナリズムを高め、団結を促進する作用を期待されるため、大統領ポール・ビヤもAFCONと連帯を絡めて呼びかけている(The Conversation 1月11日)。しかし、サポーターの熱狂は、先日スタジアムの外で少なくとも8名の死者が出る事故を引き起こした(BBC 1月25日)。ブルキナファソと共にカメルーンの準決勝進出も決まり(Aljazeera 1月30日)、ますますの白熱が見込まれるが、安全を優先した運営が望まれる。
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