ザンビアでヒチレマが新大統領に当選
2021/08/18/Wed
15日夜、ザンビアの選挙管理委員会は、野党候補のハカインデ・ヒチレマ(Hakainde Hichilema)が大統領選挙に勝利したと発表。現職のルングの1,814,201票に対し、2,801,757票を獲得しての圧勝で、得票率は6割に達した。投票率も高く、70%を記録した。ヒチレマは、これまで何度も大統領選挙への立候補を続けてきた。2006年には得票率25%で第3位、前回2016年の選挙では10万票差でルングに敗れるという僅差での敗戦だった。この時は不正を訴え、選挙後に逮捕、収監されている。
彼は、1962年、ルサカの南西180キロにあるモンゼで、ごく普通の農家に生まれた。奨学金を得てザンビア大学に進み、1986年に経済学・行政学の学士号を得た。その後、英国バーミンガム大学でMBAを取得して帰国。母国で金融、畜産、観光、不動産関連事業などによって財を成した。
ザンビアは2000年代に資源価格高騰を受けて高成長を達成したが、2010年代半ばに失速し、パンデミックの拡大と時を同じくして債務危機に陥った。ルング政権はインフラ投資を積極的に行ったほか、小農支援プログラムにも多くの財政支出をつぎ込んだが、これが裏目に出た。
ルングの積極財政政策は今回の大統領選挙を意識したもので、選挙前には接戦が予想されていた。しかし、結果はヒチレマの圧勝であった。ルングは敗北を認め、法に従って政権委譲することを宣言した。ザンビアが民主的な政権移行を行ったことはよかったが、ヒチレマを待ち受けているのはIMFとの債務繰り延べ交渉や債権者との協議である。国内的には、緊縮財政政策を取らざるをえない。
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