9月23日、エチオピア北部でティグライ人民解放戦線(TPLF)が空港など政府関連施設に攻撃を仕掛け、内戦が再び始まった。2022年に連邦政府とTPLFの間に結ばれた和平協定は、崩壊した。
今回の内戦は、2020~22年の内戦の単なる再発ではない。TPLFは、アムハラ人武装組織のFano、オロモ人によるオロモ解放戦線(OLF)、アファール人武装組織のUgugumo(アファール民族統一革命戦線:ANURF)などとともに「生存のためのエチオピア人民勢力同盟」(EPFAS)を結成し、国内の反政府武装勢力の統一戦線を組織した。
さらに、周辺国との関係がいっそう複雑になっている。エリトリアはTPLFを支援しており、10月1日、両国は国交を断絶した。アビィ政権に対して、アラブ首長国連邦(UAE)が支援し、軍事物資を供給している。スーダンのブルハーン軍事政権やエジプトは、反政府勢力側を支援するだろう。つまり、エチオピア内戦は、スーダン内戦と密接に連関して展開することになる。
ソマリア情勢との関係も複雑である。昨年末にイスラエルがソマリランドを承認したが、UAEもソマリランドに深く関与している。これに対して、トルコやエジプトはソマリア連邦政府側を支援している。こうした関係が、イエメン情勢とも連関していることは言うまでもない。
TPLFは先の内戦でかなりの戦力を失い、兵員も減少したと報じられている(9月26日付Africa Confidential)。エチオピア連邦政府が軍事的優位を持っていることは、おそらく疑いない。とはいえ、9月30日にはアジスアベバにドローン攻撃がなされたと報じられている(2日付ルモンド)。安価なドローンは広く普及しており、軍備で劣る側にとって、効果的な武器になる。
再開した内戦は長く続き、エチオピア国家の統合を深く傷つけるのではないだろうか。(武内進一)