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今日のアフリカ

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域内移民排斥運動の連鎖

2026/09/06/Sun

 アフリカ諸国で域内移民を排斥する動きが目立っている。ケニアでは、2日、ルト大統領がケニア人商人との会合で、路上で販売する小規模商人の取り締まり策を打ち出した。

 ルトは、外国人投資家との信頼関係を重視する一方で、「中国からやって来て、路上で商売をするような」小規模な商人は取り締まるべきとの考えを示した。この発言は輸入品関税率上昇に反発するケニア人商人との会合で出たものだが、路上商人の多くは中国人ではなく、ブルンジ、タンザニア、ウガンダなど、近隣の東アフリカ共同体(EAC)諸国の出身者である。そもそもEAC諸国は、共通市場として移動の自由が認められ、その出身者にはケニアで特別労働許可が与えられている。

 またケニアは80万人の難民を受け入れているが、その13%が都市部に居住するとされる。こうした難民にも労働許可が与えられており、路上商人として活動する者も少なくない(5日付ルモンド)。

 つまり、ケニアの場合、合法的な滞在、労働資格を持つ周辺国出身者に対して、取り締まりを強化しようとしている。4日、ケニアの人権団体は、ルトの政策が「反憲法的」だと批判した。

 関連する動きとして、セネガルの例がある。セネガルでは、右派政党の議員と結びついたインフルエンサーが、SNSでギニア人商人に対する中傷動画を拡散させた。マリ、ニジェール、シエラレオネ出身の商人も標的にされ、周辺国からの移民がセネガル人の職を奪うと非難している(4日付ルモンド)。これら諸国はいずれも西アフリカ経済共同体(ECOWAS)加盟国で、EACと同じく、共通市場として移動の自由が認められている。

 南アフリカについては本欄でも取り上げたが、「不法移民」の帰還を求める大規模なデモが頻発した。

 3ヵ国の事例は、それぞれ少しずつ異なっている。南アフリカの排斥運動の対象は「不法」な移民だが、ケニアやセネガルでは合法な滞在者への排斥が起こっている。ケニアは大統領が政策として移民排斥を打ち出したが、セネガルは一部の政党とインフルエンサーの動きに過ぎない。ただし、域内国からの移民が排斥の対象となった点は共通している。これらは直接的にはこれらの国々における高い失業率や経済危機の余波だが、米国やヨーロッパで起こっている移民排斥の動きの鏡像という側面もある。スケープゴートとして狙われやすい人々への攻撃が強まっている。(武内進一)

アフリカからの留学生支援のため、現代アフリカ教育研究支援基金へのご協力を呼びかけています。