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新年度が始まって、2か月が経ちました。

早朝は羽織るものが必要なほどひんやりしていたかと思えば、日中は暑くて冷房が必要なほど、ということもあります。これから梅雨を控え、心身ともに体調管理がむずかしい時期に入ります。

からだとこころは健康を保っていますか。今回のTUFS Todayでは、今年の4月に新しく本学に赴任された保健管理センターの山内先生と学生相談室の小坂カウンセラーにお話を聞きました。

保健管理センター 山内康宏先生にインタビュー

——山内先生は、この4月に本学の学校医として赴任されました。先生、よろしくお願いいたします。

4月に赴任しました山内康宏です。学生、教職員の皆さまが、「こころ」と「からだ」の両面から健康で良好な状態を維持・増進できるように努めると共に、大学における安全・衛生環境の向上を目指し、大学生活と教育・研究活動が健康で実りの多いものとなるように任務を遂行していきたいと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。

——まずご専門のことをお伺いしてもよろしいでしょうか。

内科全般を対象として総合的に診療いたします。内科の中でも特に専門としてきた診療科は呼吸器内科です。呼吸器疾患は、気道・肺胞・ガス交換・循環・胸郭などにおいて大気環境・抗原・薬剤などの様々な要因により炎症・感染・免疫異常などを介してその病態を形成し、病状・症状が出現することになります。呼吸器疾患の解明に向けて、病態・病状に則した現象を探求しながら呼吸器領域の研究を進め、またその成果が呼吸器診療につながるように努めています。

ところで5月31日は世界禁煙デー

——呼吸といえば、本日5月31日は世界禁煙デーですね。喫煙が健康に与える影響は大きいと言われますが、具体的にはどのように悪いのでしょうか?

タバコ煙に含まれる成分で「ニコチン」というのを皆さんよく耳にされると思いますが、ニコチンには強い依存形成性があります。ニコチン依存の為にタバコ煙の喫煙習慣が生じるのですが、そのタバコ煙の中には200種類以上の有害物質が含まれています。まず、ニコチンは依存形成以外に自律神経系(交感神経・副交感神経系)に影響を与え、生命活動に大きな影響を与えます。他にもタバコ煙には、強い酸化作用を有する「活性酸素」が含まれ動脈硬化を促進し癌化の誘発に関係し、また酸素の運搬能を低下させる「一酸化炭素」が含まれ身体運動能に影響し、更に「ベンゾピレン・ ダイオキシン・ ニッケル・ カドミウム・ ホルムアルデヒド等」の多くの発癌物質等が含まれ、全身の各臓器における発癌への関与が示唆されています。

——最近、「受動喫煙」という言葉をよく耳にします。

タバコ煙には、喫煙者が吸煙する主流煙と、タバコの先端から発生する副流煙、喫煙者が吐き出す呼出煙の3種類があります。これらの副流煙や呼出煙を自分の意思とは関係なく吸い込んでしまうことを「受動喫煙」と言います。自分自身は喫煙していなくても、たばこを吸っている人がそばにいるだけで、上記の様な煙に含まれる有害物質を吸ってしまうことになります。また、third-hand smoke (三次喫煙)といって、タバコ煙のついた家具や壁・衣類等にもその有害物質の残留物が付着しこれらへの暴露による身体への影響の可能性も示唆されています。

——喫煙者は不採用にする企業もあると伺いました。

来年4月からの改正健康増進法の全面施行を前に、社員の健康維持や健康増進のため、社員の禁煙に取り組んでいる企業が増えています。また、賛否両論あるかと思いますが、いくつかの企業では、喫煙者は採用しないということを宣言しているようです。会社にとって仕事能率の向上と社員の健康維持・管理はとても重要な課題でありますので、健康維持・管理において禁煙は大きな課題です。つまり、それだけタバコは体によくないということですね。また、近年では就活においても「喫煙ゼロ」を目指す企業が高評価などと、喫煙を望まない人が多くなっている社会的な状況もあると思われます。

——改正健康増進法が施行されると具体的には何が変わるのでしょうか。

改正健康増進法の受動喫煙対策により「望まない受動喫煙」をなくすという観点から、多数の人が利用する施設は原則喫煙を禁止(一定の場所を除く)となりました。特に20才未満の者や患者等は受動喫煙による健康影響が大きいことが考慮され、学校や病院などの施設では、受動喫煙への対策が一層徹底化されることになり、これにより大学も「敷地内禁煙」となります。ただし、特定屋外喫煙場所の設置による喫煙は可能です。

——禁煙をしたいと考えている方は、まずどうしたらよいでしょうか。

禁煙をしたいという方は、一定の条件を満たせば禁煙外来のある医療機関で、ニコチン依存症に対する治療を保険診療で受けられます。禁煙を考えている方は、まずは保健管理センターまでご相談にお越しください。

——先生、いろいろと教えてくださり、どうもありがとうございます。お世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

〇 禁煙相談(学生・教職員対象)の予約はこちらから
Email:hoken-center[at]tufs.ac.jp([at]は@に変えて送信ください)

学生相談室 小坂淑子カウンセラーにインタビュー

——小坂カウンセラーは、この4月から本学学生相談室にカウンセラーとして赴任されました。小坂さん、よろしくお願いいたします。

4月に赴任しました小坂淑子です。学生の皆さんのお話をお聴きしながら、一人一人が疑問や悩みに向き合い、充実した学生生活を送ることができるようサポートしてまいります。どうぞ宜しくお願いいたします。

——学生相談室では、どのような悩みを相談できますか。

授業の履修方法など修学上の問題から、進路の問題、身体や心の健康、日常生活の問題まで、幅広く相談を受け付けています。授業や課題の悩み、将来や生き方についての不安、友達のこと、恋愛関係のこと、何もやる気がしない、大学生活で何をしたいか見つからない、など、どんなことでも相談していただけたらと思います。学生相談室で話すことについては、秘密が守られます。原則、命に関わることや、犯罪に巻き込まれたりすることがない限りは、ご本人の許可なく外部に漏らすことはありません。

——この時期は、新年度の疲れがどっと出てきますね。

はい。特に6月から7月初旬のこの時期は、梅雨の時期の気温や気圧の変化がストレスになりやすい時期です。新入生は新生活にやっと慣れてきたところだと思います。沢山の課題が出るなかで、スケジュール管理をどうしていくのか。就職活動をしている学生にとっては、学業との両立も難しい時期でしょう。体調管理には十分に気を付けてほしいと思いますし、学業のためにも、休息やリフレッシュの時間を大切に、計画に入れることをお勧めします。困ったことがあれば、一度、学生相談室を訪ねてみてください。

——相談に行きたい場合は、どうしたらよいですか。

研究講義棟1階の学生相談室に直接お越しいただいてもよいですし、ウェブページから事前に予約をした上でおこしいただいても大丈夫です。申し込みの方法は、ウェブページにも掲載しております(予約の混み具合によっては、少しお待たせすることもあります)。

保健管理センター

電話:042-330-5435
Email:hoken-center@tufs.ac.jp
http://www.tufs.ac.jp/institutions/facility/hoken/guide/

学生相談室

電話:042-330-5560
http://www.tufs.ac.jp/institutions/facility/sccs/

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