13日に実施されたザンビアの大統領選挙では、現職のヒチレマ(Hakainde Hichilema)が約60%の得票率で対立候補のムンドゥビレ(Brian Mundubile)を破って再選を果たした。18日夜に発表があり、首都ルサカでは支持者が街に繰り出した。
ザンビアは、1990年に複数政党制を導入して以来、競争的な民主主義が維持されてきた。選挙による政権交代も何度か経験している。しかし、今回は、選挙の正当性に疑念を抱かせる事態が起こった。ヒチレマは、選挙前から野党や市民社会への締め付けを強めた。投票の翌日には野党陣営の有力者が逮捕され、開票が一時中断された。野党側は、選挙活動への妨害があったとして、司法的手段に訴える構えを見せている(19日付ルモンド)。
選挙結果をめぐって、ウエブマガジンThe Africa Report上で論争が起こっている。18日に、著名な政治学者のNic CheesemanとNicole Beardsworthは、大統領選挙に不正が疑われるとの記事を投稿した。公表されたデータから、大統領選挙の投票率が、同時に行われた国会議員選挙、地方議会選挙と比べて、著しく高いと指摘したのである。不正によって、35万~55万票がヒチレマ側に積み増された疑いがあるとのことである。
これに対して、翌19日、同じThe Africa Report上に反論が掲載された。Mcqueen Zazaという名の弁護士・人権活動家によるもので、ザンビアではこれまでも、大統領選挙への投票率が国会議員選挙を上回ってきた、今回の事態は何ら不思議なことではない、という主張である。
アフリカでは、これまでもケニアやマラウイで、最高裁判所が大統領選挙のやり直しを命じたケースがある。今後の展開は読めないが、これまで競争的民主主義が維持されてきた国だけに、混乱が深まらないことを願うばかりである。(武内進一)
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