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今日のアフリカ

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コンゴ民主共和国の大統領選挙

2018/09/10/Mon

9月3日、コンゴの憲法裁判所は、ジャン=ピエール・ベンバに対して12月23日に予定されている大統領選挙の立候補資格を認めない判決を下した。理由は、ベンバがICCにおいて証人買収容疑で起訴されているため。8月にベンバが立候補届を提出したのに対して、選挙委員会(CENI)が立候補資格を認めない決定を下し、それに対してベンバ側が憲法裁判所に訴えていた。この判決により、ベンバの大統領選挙への立候補資格は最終的に認められないこととなった。
 ベンバは、2002-03年に彼が指導していた反政府武装勢力(MLC)が中央アフリカで行った残虐行為の責任を問われてICCで起訴されていたが、6月に無罪判決が下された。しかし、彼は2018年3月、ICCによって、商人を買収した容疑で懲役1年、罰金30万ユーロの判決を受けている。ベンバ側はこの件について、9月17日に上告する意向を明らかにしている。今回、憲法裁判所は、この起訴を理由としてベンバの立候補資格を認めなかった。
 今回の憲法裁判所判決によって、ベンバの大統領選挙への道は閉ざされた。もう一人の有力候補であるカトゥンビ(前カタンガ州知事)は、8月に立候補届を提出しようとザンビア国境から入国を試みたが、警官隊などの妨害により果たせなかった。結局、ベンバとカトゥンビという2人の有力候補はいずれも大統領選挙に参加できないこととなった。
 カビラは8月8日、後継者としてラマザニ・シャダリ元内相を指名したが、有力なライバルを排除した選挙でラマザニ・シャダリが当選させ、自分が陰で操るつもりだとの見方が強まっている(例えば、8月31日付Africa Confidential)。