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今日のアフリカ

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ベンバのキンシャサ帰還(コンゴ民主共和国)

2018/08/02/Thu

8月1日、国際刑事裁判所(ICC)で無罪判決を受けたベンバ(Jean-Pierre Bemba)が、11年ぶりにキンシャサに帰国した。数千~数万人の支持者が空港からキンシャサ市内への道路を埋め尽くし、ベンバの帰国を迎えた。ベンバは、12月23日に実施が見込まれている大統領選挙への出馬を公言しており、2日にも立候補届を選挙管理委員会に提出したいとしている。その後、彼の故郷赤道州のゲメナに行き、収監中に亡くなった父親(ベンバ・サロアナ)の墓参りをする予定。ICCにおけるベンバの無罪判決については、6月9日付の本欄でも論じたが、予想以上に早いキンシャサ帰還である。
 現在、コンゴ政府は、12月23日の選挙実施を否定していないが、かといって積極的に準備を進めているわけでもない。憲法の規定上、この選挙にカビラ現大統領は出馬できないが、政権与党のなかで彼の後任を決める動きは表面化していない。選挙管理委員会(CENI)に政府の息がかかっていることは周知の事実だが、CENIが選挙の準備を熱心に行っているようにも見えない。つまり、選挙の準備が十分になされないまま、選挙日が刻々と近づいている。これから12月23日に向けてどのような政治情勢が展開されるのか、非常に不透明である。