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今日のアフリカ

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エチオピアが今年もナイル川のダムに貯水

2021/07/20/Tue

7月20日付のロイター通信によれば、エチオピア政府は、国営放送を通じ、青ナイル川に建設中の「大エチオピアルネッサンスダム(the Grand Ethiopian Renaissance Dam: GERD)」への2年目の貯水がほぼ完了し、数ヶ月後には発電を開始する予定だと発表した。

GERDは、2011年に建設が開始され、完成すれば総発電量6000メガワットというアフリカ最大規模のダムとなる。一年目の貯水は昨年の7月から9月までに行われ、ことしは2年目となる。貯水はダムの水面が海抜640メートルの位置に至る2024年まで続けられる計画となっている。

エチオピア政府は、ダムは自国の経済開発に不可欠であると主張するものの、エジプトとスーダンはダム建設により下流に水不足が発生するおそれがあるとして、建設開始当時から反対し続けてきた。エジプトとスーダンは、国連安全保障理事会を仲介役として、エチオピアに対し、法的拘束力のある合意を締結するように呼びかけてきた。しかし、エチオピアは、ダム建設が下流の水量に影響することはないと主張し、話し合いに応じていない。

7月19日付のAlJazeeraによれば、エチオピア国内では、ダム建設を歴史的な偉業とたたえ、国債の購入をとおしてダムを財政的に支援しようとする人もいる。一方、エジプトとスーダンは、エチオピアの動きに強い警戒感を示している。GERDをめぐる3つの国の利害対立は解決の糸口が見つかりにくい問題となっている。