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Africa Today今日のアフリカ

今日のアフリカ

2020年02月

南スーダン新政府樹立

2020/02/27/Thu

2月22日、南スーダンに新政府が樹立した。キール大統領は演説で、これが「紛争の公式な終焉」であり、同国の平和が脅かされることは二度とないと語った。また、キールは、長年争ってきたマシャールを許し、そしてマシャールに許しを乞いたいと述べ、国民にも互いに許しあうよう求めた。 2度の延期によってずれ込みながらも、2018年の合意に沿うかたちで、今般の暫定統一政府が設立したことは喜ばしいことだ。これから、大統領らは、3年以内の選挙の実施を目指し、新政府を運営していくことになる。それが実現すれば南スーダン独立以来はじめての選挙となる。平和理に選挙実施までこぎ着き、それにより民主的な政権を樹立することが、新政府の目指すところである。 だが課題は山積されている。国軍統一、和平合意に署名していない勢力との交渉、石油依存の経済構造と借款、飢饉と人道危機など、どれも処置の難しい局面にあり、とくに治安に直結する問題については、対応を間違えれば、ただちに再び悲劇に陥る可能性も否定できない。 長年争ってきた者同士による政府がどのように動き出すか、国際的な関心も集まっている。

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ルワンダ人有名歌手の逮捕と自殺

2020/02/23/Sun

17日、ルワンダ警察は、著名なゴスペル歌手キジト・ミヒゴ(Kigito Mihigo)が収監先の刑務所内で自殺したと発表した。この日朝5時頃、独房内で死亡しているところが発見されたという。彼はその3日前に、ブルンジに出国しようとしたとして逮捕されていた。  キジトは12歳でジェノサイドに遭遇したサバイバーである。当初政権寄りの歌手と見られていたが、2013年にジェノサイドに関する政策を疑問視する歌を発表した後に逮捕され、2015年には反政府勢力と共謀した容疑で10年の実刑判決を受けて収監されたが、2018年9月に大統領の恩赦を受けて釈放された。釈放に際して、国外に出る際には許可が必要とされていたが、無断でブルンジに出国しようとして逮捕された。警察は、キジトがブルンジの反ルワンダ勢力に合流しようとしていたと主張している。  警察がキジトの自殺を発表して以来、それに対する疑問の声が湧き上がっている。アムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチは、国際的な調査が必要だとの見解を出した。19日付ラ・リーブル・ベルジック紙によれば、後ろ手で縛られ、血まみれで横たわるキジト似の人物が写真がSNSで拡散している。  ルワンダにおいて、政府を批判した人物が逮捕・収監されたり、殺害された例は少なくない。警察の発表をそのまま信じる人は、多くはないだろう。

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リビアの石油輸出停止措置の影響

2020/02/23/Sun

ハフタル将軍率いる反政府勢力「リビア国民軍」(LNA)は、1月17日以来、制圧地域からの石油輸出を停止している。2月17日付ルモンド紙によれば、これによりリビアの石油輸出量は日量120万バレルから11万バレルへと、90%減少した。石油輸出量の激減はリビアの国民にとっては生活苦をもたらすが、国際石油市場の観点からは問題になっていない。むしろ、石油が過剰生産状態にあり、中国経済の減速やコロナウイルスの影響もあって石油市場が軟調傾向にある現在、リビアの輸出停止は他の石油生産国から歓迎されている。  ハフタルのLNAは東部キレナイカ沿岸地域の4つの石油ターミナルを閉鎖したが、石油が武器として利用されたのは2019年4月の攻撃開始以来初めてのことである。主要な石油ターミナルはLNAの制圧地域であるキレナイカに位置するが、石油収入の再配分は中央銀行を管轄する暫定政権が権限を握っている。ハフタルは中央銀行が石油収入をトリポリの民兵に横流ししていると非難したが、石油輸出を停止したLNAの姿勢は、石油生産地域キレナイカが昔から抱いていた不満を体現している。  ハフタルは、反政府勢力とはいえ、米国、フランス、ロシアなど、主要国から一定の支持を得てきた。その背景には、これまで彼が石油市場の秩序維持に貢献してきたという評価がある。しかし、ハフタルは今回、自ら石油輸出を停止し、問題の種となった。ルモンド紙は、今回の措置をリビアの戦争の転換点だと評価している。

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バッタの被害が南スーダンにまで拡大

2020/02/19/Wed

2月19日、ガーディアン紙は東アフリカ7か国で拡大していたバッタの被害が南スーダンにまで到達したと報道した。南スーダンは現在でも衝突が散発的に発生していることに加え、3年連続で発生した干ばつや昨年末の大規模な洪水により、最大2500万人が食料不足に瀕しているとされている。今回のバッタの被害は、食料不足で苦しむ南スーダンの状況をさらに悪化させている。バッタは一日に150㎞を移動し自分の体重と同量の植物を食べるとされ、国連によると、1㎞のバッタの群れが一日に食べる作物の量は35000人分の食料に匹敵するとしており、その被害は甚大である。FAOはバッタの体色が黄色に変化し始めており、繁殖の時期を迎えようとしていることを指摘している。調査チームは産卵場所を特定し、幼虫を駆除する計画を立てているとのことである。ナショナル・ジオグラフィーによると、ソマリアとイエメンでは農薬による大規模な制御操作ができず、繁殖が続いているとしている。アラビア半島で大発生したバッタの群れは、先週にはウガンダとタンザニアにまで到達し、ケニア、ソマリア、エチオピア、エリオリア、ジブチに続く被害が確認されていた。次シーズンのバッタの発生地がこれらの国々になった場合、アフリカにおける被害はさらに深刻なことになると予想される。幼虫が成長し移動を始める前に、急ぎ対応する必要があるだろう。

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バッタの被害とその背景

2020/02/11/Tue

東アフリカでバッタの被害が拡大していることは、すでに広く報じられている。バッタはアラビア半島で大量発生し、ソマリア、エチオピア、ケニアに大きな被害を与えた。プントランドでは「国家的緊急事態」が宣言され、ウガンダやタンザニアにも被害の拡大が懸念されている。  2月7日付ルモンド紙は、FAOの記者会見に基づいて、被害拡大の背景を報じている。それによれば、2018年春にインド洋のサイクロンの影響でアラビア半島に豊富な雨が降ったことが、バッタの繁殖の始まりであった。2019年初めにはイランやイエメンに侵入が確認されたが、イエメンは内戦のため有効な対策が取れなかった。同年6月にはアフリカの角への侵入が始まり、ソマリア北部やエリトリアが被害に遭った。昨年はこの地域でも雨が豊富で、繁殖が促進された。現在、バッタは一日にケニア全国民(5千万人)の需要と同じ量の穀物を食い尽くす規模だという。  2019年は、東アフリカ一帯で大量の降雨があり、コンゴ民主共和国や南スーダンなど各地で洪水の被害が出た。モザンビークに巨大サイクロンが大きな被害を与えたのは4月のことである。バッタの被害拡大の背景にも、内戦や気候変動など人的要因が関わっている。

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南スーダン新政府設立期限まで2週間弱

2020/02/10/Mon

南スーダン新政府設立の期限まで2週間を切った。南スーダンにおいては2018年9月に和平が合意されて以来、新たな統一政府の設立が期待されているものの進展は芳しくない。 先週の報道によれば、野党勢力の一部は軍統合に対する準備が不十分と述べるなどして期限の延期を主張している。今回、もし延期となれば、定められた設立期限が破られるのは同合意以降3度目となる。 新政府設立を遅らせる要因の一つとなっているのは国軍統合の問題である。新政府実現のために早期の解決が求められているものの、これまで銃を向けて戦ってきたもの同士を一つの国軍の同僚として再編するプロセスが容易ではないことは、想像に難くない。また、兵士へのトレーニングの内容・期間、宿営地の運営等と議論が必要な事項はまだ多く、その実施状況の監視も簡単ではないだろう。 2017年にジュバで生じた軍事衝突は、軍統一の失敗の結果とも受け取れる。だが、この失敗は南スーダン政府のみの経験ではなく、和平文書を書き、その実施を主導・支援した周辺国・国際社会にとってのものでもある。同じ轍を踏まないためにも、合意署名者のみならず、同国のその他勢力や周辺国、国際社会を交えた十分な議論が、この問題に対して尽くされるべきだろう。 参照:https://www.voanews.com/africa/south-sudan-focus/south-sudan-opposition-official-says-unified-force-not-ready

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イスラエルの対アフリカ外交

2020/02/09/Sun

2月3日、イスラエルのネタニエフ首相がウガンダの首都カンパラを訪問し、ムセヴェニ大統領と会談した。この際ムセヴェニは、大使館をエルサレムに開設する可能性を検討すると述べた。ウガンダ・イスラエル間の航空便開設も検討されることとなった(4日付ルモンド)。  さらにこの日、スーダン移行政権トップのブルハン(Abdel-Fattah Burhan)がエンテベ空港に飛び、ネタニエフと会談して、両国関係の正常化を発表した(4日付ニューヨーク・タイムズ)。この会談は、スーダン首相すら事前に知らされておらず、内外で驚きをもって受け止められた(5日付ルモンド)。  近年イスラエルは、アフリカ諸国との外交関係を強化している。かつてイスラエルはアパルトヘイト下の南ア政権を支持していたため、アフリカ諸国からは総じて敵視されていたが、今日ではサブサハラアフリカ47か国のうち39か国と外交関係を樹立している。今回のウガンダ訪問は、ネタニエフ首相にとって、過去約3年半のうちに5回目のアフリカ訪問であった。ウガンダには2016年以来の訪問で、その際はエンテベ空港事件(テルアビブ発パリ行きのエールフランス機がハイジャックされてエンテベ空港に着陸し、イスラエル特殊部隊が解放作戦を敢行した)60年記念として訪問している。ネタニエフの兄弟は、当時コマンドの指揮官で、事件中に命を落とした。  スーダンとイスラエルの関係改善は、スーダンの外交路線が親イランから親サウジアラビアへ変化するなかで徐々に進んでいたが、バシール体制崩壊とともに一気に進んだ。スーダンは米国の制裁解除や債務軽減を欲しており、トランプ政権もイスラエルとの関係改善を働きかけてきた。しかし、ブルハン移行政権トップの主導で行われた今回の正常化宣言には、疑問の声が呈されている。5日付ルモンド紙は、今回の動きを事前に知らされていなかった首相(すなわち市民運動派)と軍出身のブルハンとの亀裂を指摘し、6日付アルジャジーラも、ドーハ研究所所長Sultan Barakat氏の記事で批判的見解を掲載した。スーダン新政権の今後を考えるうえで、重要な動きになるだろう。

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東アフリカの電力事情

2020/02/02/Sun

アフリカではしばしば電力不足や電気代の高さが指摘される。しかし、その背景は一様ではない。1月21日付ルモンド紙は、東アフリカの電力事情について興味深い記事を掲載している。  東アフリカは、トゥルカナの風力発電やケニア中部の地熱発電、また近い将来にはエチオピアのルネサンスダムが稼働するなど、発電能力が高く、マクロでみると電力不足は当てはまらない。2018年における東アフリカの発電能力は、電力需要に比べて通常の原子力発電所一基分程度の余剰がある。これは、アフリカの他地域との大きな違いである。  ただし、当然ながら、これは国民すべてが電力へのアクセスがあることを意味しない。電気にアクセスできる人口の割合は、エチオピアで44%、ウガンダで22%、ブルンジで9%に過ぎない(2017年)。国民に広く電力が行き渡らないことで、投資資金を回収しなければならない電力会社には大きな負担になっている。普通の家庭にとって、電気はまだまだ高く、節約してしか使えない。したがって、産業の発展や誘致の重要性が増してくる。  モンバサやラムの港湾設備のような大プロジェクトは、いずれも電気使用量が予想より少ないか、建設途中である。余った電気を他国に販売することは重要なので、国々をつなぐ送電線の設置は重要である。これはまだ足りない。南部アフリカにあるような、余剰電力をプールして再配分するような仕組みが、東アフリカにおいても作られるべきだ。  電力供給が人々の日常生活改善のみならず、産業化の進展に不可欠であることは言うまでもない。アフリカに再生可能エネルギーの多大な潜在力があることは既に知られているが、地域別のより踏み込んだ情報が求められている。

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