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今日のアフリカ

今日のアフリカ

米国・アフリカサミット開催

2022/12/18/Sun

 12月13~15日、ワシントンで米国・アフリカサミットが開催され、バイデン政権は今後3年間で550億ドルの資金提供を表明した。アフリカに外交面から長く関わってきたカーソン(Johnnie Carson)を特別代表に任命し、今後のフォローアップを行うこととした。民間企業との商談も進み、総額150億ドルの契約が締結されたとのことである。(15日付ルモンド)
 ルモンド紙によれば、このサミット開催にあたり、バイデン政権には二つの対抗軸を意識している。中国、そしてトランプ前政権である。オースティン国防長官は会議で、中国のアフリカ大陸での活動拡大に触れて、「不安定化要因になり得る」と否定的な見方を強調した。これに代表されるように、会議では、中国、ロシアに対抗して米国がアフリカとの関係を深める、という姿勢が鮮明に打ち出された。
 トランプ政権においては、大統領自身のアフリカに対する侮蔑的な発言もあり、米国・アフリカ関係は深まらなかった。バイデン政権は前政権との違いを強調し、アフリカを重視する姿勢を見せている。
 会議では、開発協力のコンセプトとして、「コネクティビティ」が強調された。具体的にはコトヌ港の開発が挙げられ、これはベナンと内陸のニジェールをつなぐ重要案件とのことである。コネクティビティを重視し、インフラを整備する発想は、中国の「一帯一路」政策、日本の「自由で開かれたインド太平洋」構想、EUの「グローバル・ゲートウェイ」構想とも共通する。
 域外大国がアフリカへのアプローチを競い、開発協力としてインフラ整備を強調しながら、政治的対抗軸を構築する構図が見て取れる。こうしたアプローチに対して、アフリカの多くの国々はこれまで旗色を鮮明にしていない。今後の動きが注目されるところである。
(武内進一)