10日、EU委員会のウルズラ・フォン=デア=ライエン委員長は、訪問先のダカールで、今後数年間のうちにEUがアフリカ向けに1500億ユーロ規模の投資を行うと発表した(10日付けルモンド)。この訪問は、17-18日にブリュッセルで開催されるEU-AUサミットを前にしたものであり、大規模投資は昨年EUが発表したグローバル・ゲートウェイ構想の一環として説明された。
グローバル・ゲートウェイ構想は、「デジタル、エネルギー、輸送面でスマート、クリーン、安全な結びつきを強化し、保健衛生、教育、研究システムを世界的に強化する」というEUの新たな戦略で、2021~2027年の間に3000億ユーロ規模の投資を動員するとしている。持続可能で信頼できる結びつきを構築し、気候変動、環境保全、医療安全保障といった今日的課題に対応して、EUの競争力を強めるとともにサプライチェーンを広げるという。
グローバル・ゲートウェイには、中国の一帯一路政策への対抗という意味も込められており(2021年12月13日付ルモンド)、昨年6月のG7サミットで表明されたBuild Back Better World (B3W)とも連動している。EU、加盟国政府、ヨーロッパの金融機関、開発機関、民間部門のシナジーにより、産業化、保健衛生、気候変動、若年層関連、教育などの分野で戦略的インフラプロジェクトを推進するとしている。
コネクティビティが時代のキーワードとなり、どのような形で誰とつながるかが重要な意味を持つようになった。「つながり方」をめぐる主導権争いがグローバルに起こっており、アフリカがその主戦場の一つになっている。