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今日のアフリカ

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大統領選挙を前にした緊張―ギニアとコートジボワール

2020/10/17/Sat

16日、ギニアの首都コナクリ北東部約140kmで軍の基地が襲撃され、大佐が暗殺された。ギニアでは明日18日が大統領選挙の投票日で、政治的緊張の高まりが伝えられていた。大統領選挙には現職のアルファ・コンデ(Alpha Condé)が立候補し、野党候補のジャロ(Cellou Dalein Diallo)との選挙戦を繰り広げている。82歳のコンデの立候補を巡っては、憲法の三選禁止規定に違反するとの批判がなされてきた。2010年に大統領選挙初当選を果たしたコンデは既に二期の任期を務めたが、この3月に実施された憲法改正によって、これまでの二期はクリアされ、三選禁止規定には抵触しないと主張している。3月のレファレンダムも激しい抗議の中で実施され、米国大使館が「深刻な懸念」を表明した(2020年3月26日付ルモンド)。

似た状況にあるのがコートジボワールである。10月31日に大統領選挙が予定されているが、現職のワタラ(Alassane Dramane Ouattara)が立候補し、先のコンデと全く同じ理由で三選禁止規定違反の批判を受けている。有力な野党候補のベディエ(Henri Konan Bédié)とンゲッサン(Pascal Affi N'Guessan)は、15日共同で記者会見を開き、大統領選挙に参加せず、市民的不服従を行うと発表した(10月15日付ルモンド)。事実上の選挙妨害を宣言するもので、今後の治安情勢悪化が懸念される。

選挙はしばしば紛争を引き起こすが、今年はコロナ禍の影響もあり、悪化した経済状況が政治的緊張をさらに高めることが懸念される。