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今日のアフリカ

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新型コロナウイルス感染抑制に「希望のきざし」

2020/08/21/Fri

BBCによれば、アフリカ疾病対策予防センター(Africa CDC)のンケンガソン(John Nkengasong)所長は、アフリカにおける新型コロナウイルスの新たな感染者数が先週から減少傾向に転じたとして、「希望のきざし」だと述べた。先週のアフリカ大陸全体の新規患者数は平均10,300人で、前週の11,000人を下回った。感染者数は増加を続けているが、その増加速度が低下したということである。
 この背景にあるのは、南アフリカの動向である。アフリカ全土の感染者数は現在までに約115万人だが、南アがその半数を占める。その南アでは、1日当たりの感染者数が、ピーク時の12,000人からここ数週間は5,000人程度へ減少した(15日付BBC)。17日の週からは、禁止されていた酒、たばこの販売が再開されるなど、コロナ関連の制限を緩和する動きが始まっている。
 ンケンガソン所長は、「安心するのはまだ早い。慎重なオプティミズムをもって、このニュースを捉えるべきだ」、として、感染症対策を変えないよう求めている。
 南アは、PCR検査数も多く、真剣に新型コロナウイルス感染症対策を講じてきた。その成果が表れているとすれば、喜ばしいことである。ただ、南アのように徹底した検査を行っている国は多くはない。タンザニアのようにこの感染症に関する情報を公開しない国もある。アフリカ全体の状況については、まだわからないことが多い。