28日付ファイナンシャルタイムズ紙は、南ア航空(SAA)が破綻の瀬戸際にあると報じた。27日、プラヴィン・ゴーダン公企業担当相は、同社が従業員に11月分の給与を半額しか支払えなかったと発表した。SAAは南アのフラッグ・キャリアだが、ズマ時代の放漫経営によって赤字が続き、経営危機に陥っている。その対応については政府内でも意見が分かれており、ゴーダンはSAAの再生に前向きだが、ティト・ンボウェニ財務相は更なる資金注入に消極的で、整理したい意向と伝えられている。ここ数日のうちに20億ラントの資本を確保できなければ破綻が現実味を帯びてくると言われ、ラマポサ大統領の意思決定が待たれている。
政府が新たな負担を被ることになれば、市場から厳しい反応を受けることが予想される。市場の南アに対する評価は既に厳しく、格付け会社のなかで南ア債をジャンクでないと見なしているのは今やMoody'sだけである。この評価が下がれば、南アの経済再建はさらに厳しさを増す。
SAAの処理は難題だが、これはまだ第一幕だ。より難しいのは、国営電力会社Eskomの処理で、こちらは倒産という選択肢がない。ズマ時代のレガシーともいえるが、ラマポサ政権は当面苦しい対応を迫られそうだ。