• アクセス
  • English
  • 東京外国語大学

今日のアフリカ

今日のアフリカ

コンゴ選挙の不正を裏付けるデータ

2019/01/17/Thu

1月15日付ファイナンシャルタイムズ紙は、コンゴ民主共和国大統領選挙の結果発表に重大な不正があったと結論付けた。同紙によれば、カトリック教会の調査に加えて、同紙が独自に入手したデータがいずれも、チセケディではなくファユルの大差での勝利を示している。カトリック教会の組織であるCENCOは総投票数の43%をカバーする調査を実施しているが、同紙はファユル陣営の人物(名前は明かされていない)から、CENI中央のデータベースから入手した62,716台分の投票機器分のデータ(総投票数の86%をカバー)を入手した。2つのデータを突き合せたところ、相関係数が0.976~0.991を示し、両者はほぼ一致した。いずれもファユルが6割前後の得票率(59.4%、62.8%)で圧倒的勝利を収め、チセケディのそれは2割に満たなかった。選挙管理委員会(CENI)によるチセケディ勝利の発表がいよいよ疑われる事態である。
 CENIの不正はカビラ政権の意を受けたものだから、チセケディがカビラと裏取引をしたとの見解はますます強まり、チセケディは人々の信頼を得られないだろう。選挙監視団を送った南部アフリカ開発共同体(SADC)は、挙国一致政権を樹立するよう働きかけている。しかし、ファユル陣営とチセケディ陣営が折り合いをつけることができるか、またこの混乱した状況のなかでカビラ陣営はどう動くのか。先が読めない状況になってきた。