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今日のアフリカ

OIF新事務局長に現職ルワンダ外相

2018/10/13/Sat

12日、アルメニアの首都エレヴァンで開催された第17回フランス語圏諸国国際機構(OIF)の首脳会議で、ムシキワボ(Louise Mushikiwabo)ルワンダ外相を新事務局長に選出することが全会一致で決定された。
 新事務局長の決定に至る過程は波乱含みだった。ムシキワボ氏のOIF事務局長就任は、今年5月にカガメ大統領がパリを訪問した際にマクロン大統領から提案されたものだが(2018年5月27日付「今日のアフリカ」参照)、この背景には、ルワンダと関係を正常化したいフランスと、国際機関の事務局長ポストがほしいルワンダ双方の思惑が透けて見える。
 しかし、ルワンダは2008年に教育言語をフランス語から英語に切り替えており、政権に批判的な勢力に対する人権侵害でしばしば国際的非難を浴びてもいる。こうした国の現職の外相を、フランス語の普及や民主主義の促進を掲げるOIFの事務局長に据えてよいのか、という議論が噴出した。9月13日付ルモンド紙には、フランスの仏語圏諸国大臣経験者4名の連名で、ムシキワボ事務局長案に反対する声明が掲載された。こうした意見を背景に、現職のジャン(Michaelle Jean)事務局長が続投の意向を明らかにしていた。
 OIFの事務局長選出に当たっては、首脳によるコンセンサス方式が採用され、12日も非公開会合のコンセンサスでムシキワボの事務局長就任が決まったと発表された。この決定には、フランスの意向に加えて、アフリカ連合(AU)がムシキワボ支持に回ったことが大きく影響している。2005年に創設されたOIFは、初代事務局長が元国連事務総長のブトロス=ガリ、2代目が元セネガル大統領のディウフ、そして3代目がジャンだった。ジャンはハイチ生まれのカナダ人であり、AUとしてはOIF事務局長にアフリカ人を就任させたい意向が強かった。
 今回の人事は、例えて言えばフランスが頭を下げてルワンダに関係改善を求めてきたものであり、カガメ政権にとって大きな得点である。カガメがAU議長を務めていることもあり、アフリカにおけるルワンダの存在感はさらに増すだろう。一方で、こうした動きに対する反感は、フランス国内にも、アフリカ域内にも存在する。そのせめぎ合いがどのような形で表出するか、注意する必要がある。