12月21日、コートジボワールのワタラ大統領は、アビジャン訪問中のマクロン仏大統領と共同で記者会見し、CFAフランの終焉を発表した。西アフリ経済通貨同盟(UEMOA)の8か国(ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴ)は、独立以来、フランスフラン、そしてユーロと固定レートで交換可能な通貨CFAフランを使用してきたが、これに代わって、新たな通貨Ecoが導入される。重要な変化として、1)UEMOA諸国は従来外貨準備の最低半分をフランス銀行の口座に預けていたが、この措置を廃止する。2)西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)理事会にフランス代表を派遣しない、という2点が発表された。一方、EcoはCFAフランと同じく、フランス銀行によってユーロとの固定レートによる交換を保障される。ワタラは、これが完全な主権に基づく決定だと表明した。なお、この決定はUEMOA諸国に限定され、中部アフリカの旧仏領諸国は今後も変わらずCFAフランを利用する。
CFAフランに対してはフランスによる新植民地主義だという批判の声が強かったが、新通貨Ecoに対してフランスは関与を薄めることになる。ルモンド紙の報道(21日付)によれば、今回の改革に向けた協議は、マクロンとUEMOA議長を務めるワタラとの間で極秘で6月に始まった。仏大統領府筋は「コートジボワールの来年の選挙を見据え、それに資する措置としてCFAフラン改革が議論された」と述べている。また同紙は、フランスとコートジボワールは、この通貨同盟を西アフリカ共通通貨構想の基盤に据えたいと考えているとも指摘している。
独立以来フランスと西アフリカの旧仏領植民地との間で続いてきた通貨制度「CFAフラン」は、今回の措置によって終焉を迎える。ただしそれは、必ずしもフランスと西アフリカの経済関係が希薄になることを意味しない。CFAフランを廃止することで、この通貨をめぐる新植民地主義との批判を抑えつつ、新通貨をECOWAS(西アフリカ経済共同体)が述べてきた新通貨構想Ecoと接続させるというのが、フランスおよび仏語圏アフリカ諸国の狙いである。今後、この構想に対して、ナイジェリアやガーナのようなECOWAS英語圏諸国がどのような反応をするかが注目される。