• アクセス
  • English
  • 東京外国語大学

Africa Today今日のアフリカ

今日のアフリカ

2021年09月

チママンダ・アディーチェ、アフリカ美術品について問題提起

2021/09/29/Wed

(リーズ大学からの招へい研究者クウェク・アンピア教授による執筆です。以下、抄訳。) 『半分のぼった黄色い太陽』で知られるナイジェリア人作家のチママンダ・ンゴズィ・アディーチェが、ベルリン・フンボルト・フォーラムの民族学博物館オープニングセレモニーで基調講演を行い、ヨーロッパによってアフリカから不法に持ち出され、欧米の博物館に展示される美術品について問題を提起した。彼女は、なぜある地域の美術品に民族学の名が冠され、他の地域のものはそうでないのか、という核心を突く問いを投げかけた。(スピーチ動画はこちらからご覧になれます。) Chimamanda Ngozi Adichie on African Artifacts in Museums in Europe and North America Chimamanda Ngozi Adichie, the Nigerian writer and author of Half a Yellow Sun gave a keynote speech at the ceremony marking the exhibition opening of the Ethnological Museum at the Berlin Humboldt Forum (You can watch the video from here). In her speech the author raised questions about African art acquired illicitly by Europeans and exhibited in Western museums. And she posed poignant questions about why the term ethnological is used for art from certain parts of the world and not art from other parts of the world; 'who decided that African art should be labelled ethnological'; and 'who has the right to exhibit the other'? The discourse regarding the illicit African art in the West is expertly chronicled in The Brutish Museum, Benin Bronzes, Colonial Violence and Cultural Restitution, 2020, by Dan Hicks, Professor of Contemporary Archaeology at the University of Oxford, and Curator at the Pitt Rivers Museum.

個別ページへ

マリがワグネルに接近

2021/09/26/Sun

 25日、国連総会に際しての記者会見で、ロシアのラブロフ外相は、マリがロシアの民間軍事企業ワグネルにアプローチしていることを認め、ロシア政府とは関係のないことだとしつつも、正当な政府による正当な交渉だと擁護した(26日付ルモンド)。ワグネルは、プーチン大統領に近い実業家のプリゴジンが出資する企業で、アフリカではリビアや中央アフリカに傭兵を派遣して軍事活動を展開している(詳細は、廣瀬陽子『ハイブリッド戦争』講談社現代新書、2021年)。  マリによるワグネルへの接近は9月半ばに公けになり(9月15日付ルモンド)、ヨーロッパ諸国の反発を招いてきた。特に仏独は、ワグネルと契約するなら、ジハディスト勢力を対象とした軍事面での協力関係を見直すと警告しており、20日にはパルリー仏軍事相がマリを訪問し、この警告を直接政権に伝えた。  一方、マリの首都バマコでは、22日、クーデタを引き起こした軍部を支持し、フランスの関与を批判するデモが展開された(23日付ルモンド)。これは官製デモであろうが、その中でロシアの介入を求める声も聞かれた。フランスの介入を批判し、ロシアの支援を求める声は、2020年8月のクーデタ以前からある。  25日の国連総会演説で、マリのマイガ首相は、フランスによるバルカンヌ作戦の縮小に関して、パートナー国にあるべき相談がなかったと批判した。ロシアのラブロフ外相も、フランスがマリから手を引くので、彼らがワグネルにアプローチしたのだと述べて、要はフランスの責任だとの姿勢を示している。  クーデタで成立した軍事政権が、自国の安全保障を確保するために、注文の多い民主主義国からの支援を嫌って民間軍事企業に依存しようとするのは、ありうることだ。傭兵は戦時の行動を規定する国際法に従わず、アカウンタビリティが全くない。ワグネルに関しても、拷問や処刑など数多くの人権侵害が指摘されている。フランスとしても、妥協は難しいところである。

個別ページへ

ケニアにおけるLGBT映画の上映禁止

2021/09/25/Sat

ケニア映画審査委員会は、ゲイカップルの生活を描いたドキュメンタリー映画を国内で上映禁止にした(BBC 9月23日)。対象となったのはピーター・ムリミ監督により昨年公開された「I am Samuel」で、内容が同性婚を促進するために法律に反するとしている。ケニアには同性愛禁止法があり、同性愛は14年以下の懲役を含む犯罪として罰せられる。法律が継続する背景には、同性愛を悪魔・悪霊のせいとするケニアの多数派のキリスト教徒の価値観がある。 5年間にわたって撮影されたこの映画は、暴力と差別を背景に、サムと彼のボーイフレンドであるアレックスの関係を描いていたものだ。「I Am Samuel」は、2018年にケニア映画として初めてカンヌ映画祭でプレミア上映されたレズビアンラブストーリー 「ラフィキーふたりの夢ー」(日本ではAmazon Prime等で有料視聴可)の映画館での上映禁止を決定したのに続き、ケニアで禁止された2つ目のLGBTをテーマにした映画である。ムリミ監督は建設的な対話を呼びかけ、この映画を南アフリカを基盤にする映画プラットフォームAfriDocsでアフリカ大陸向けに10月から無料配信予定だとする。ケニアのLGBT運動では他にミュージックビデオ(The Citizen 2016年4月28日)や、ゲイを認めるキリスト教会の運動に関するドキュメンタリー映画製作(University of Leeds 7月9日)なども行われているが、このような映像や運動が対話の可能性を開いていくことを期待したい。

個別ページへ

スーダンでクーデタ未遂が発生

2021/09/22/Wed

9月22日付のロイター通信によれば、スーダン政府は、国営放送をつうじて、同日未明に現暫定政権に対するクーデタの計画を阻止したと発表した。 スーダン政府によれば、今回未遂に終わったクーデタは、オマル・バシール前大統領を支持する軍のイスラム主義者や市民によって計画された。彼らは、港湾や主要道路を封鎖し、複数の町を支配下に置こうとしたとみられている。21日未明には、オムドゥルマンにあるラジオ局が標的にされ、ハルトゥームとオムドゥルマンを繋ぐ橋が一時的に閉鎖された。また、ハルトゥームやオムドゥルマンの市内で小競り合いがあったという報告もある。しかし、日中にはハルトゥーム市内はいつも通りの生活に戻っている。 スーダン軍は、今回のクーデタ未遂に関して、首謀者である軍のイスラム主義者とそれにかかわった22人の軍人を逮捕し、国内の治安はコントロールしていると発表した。アブダッラ・ハムドク首相は、今回のクーデタ未遂事件を、民主的な政権移行を中断しようとするバシール支持派による企てであるとして彼らを厳しく批判している。また、軍のトップであるブルハン主権評議会議長も、今回のクーデタ未遂は軍の統一性を損なうものだとして強い危機感を表明している。 スーダンでは、市民による反政府デモが数ヶ月続いた後、2019年4月にバシール政権が崩壊した。その後、市民と軍の代表から構成された主権評議会を中心にした暫定政府が樹立した。暫定政府は、バシール前大統領をICC(国際刑事裁判所)に引き渡す準備を進めており、こうした施策は国際社会から評価されている。その一方で、スーダン国内では、暫定政権の樹立後も、政治的な分断と経済的な不況が解決されておらず、政府への不満は解消されたとは言いがたい状況にある。こうしたなか、今回のクーデタ未遂は、軍の内部に民政移管に反対する勢力が存在していることを示すものとなった。スーダンでは、2024年に総選挙が予定されているものの、民主化への移行にはさまざまな障害があることが予想される。

個別ページへ

『ホテル・ルワンダ』主人公に懲役25年の判決

2021/09/21/Tue

 ルワンダの裁判所は、20日、ポール・ルセサバギナ氏に対して、「テロリズム」その他の罪で懲役25年の判決を下した。彼が武装組織「国民解放戦線」(FLN)を創設し、資金を提供し、機材を購入したと判断された。FLNは2018年にルワンダ南西部で襲撃事件を起こし、住民を殺害しており、これに対する責任が問われた。  ルセサバギナは、2004年に公開され大ヒットした映画『ホテル・ルワンダ』の主人公のモデルとして知られる。ベルギー国籍と米国の居住権を持ち、現ルワンダ政権の強権性を強く批判してきた。彼は、政治的意図を持った裁判だとして審理への出席を拒んでおり、20日は本人欠席のまま判決が下された。ヨーロッパ議会、ベルギー、人権団体も裁判を懸念しており、判決を受け、ベルギー外相は「公正な裁判を受けていない」と批判した(20日付AFP)。  ルセサバギナは、RPF政権が内戦に勝利した2年後、1996年に脅迫を受けてベルギーに出国した。家族によれば、彼の人望を妬んだ政権筋との関係がこじれたのだという。ベルギーではタクシー運転手の職に就いていたが、『ホテル・ルワンダ』が公開されると一躍ヒーローとして脚光を浴び、ブッシュ米大統領から勲章を授与されるに至った(19日付ルモンド)。著名になってからも、講演などの機会に現政権批判を繰り返していたが、特に憲法改訂を経て、2017年にカガメ大統領の長期政権が確定して以降、政権批判のトーンを上げたという。  2020年8月、おそらくはルワンダ政府の策略にはまり、ルセサバギナはドバイからキガリへ連行された。裁判の中で、彼はFLNに対する自身の影響力を否定している。結審前、ルワンダの最高刑である無期懲役が下されるとの見方が一般的だったので、国内では比較的抑制された判決だとの見方がある。しかし、彼の家族やヨーロッパ諸国にとって、この裁判はもとより受け入れられないものである。  ルワンダは、国内外の反政府勢力を徹底的に抑圧してきた。今回の事件もその一環である。ルワンダ研究者でHuman Rights Watchにも所属するロングマン(Timothy Longman)によれば、国外のルワンダ反体制勢力は政権による取り締まりを恐れて活動を抑制している。

個別ページへ

エチオピアにAGOA適用除外の可能性

2021/09/18/Sat

 17日、アメリカのバイデン政権は、アフリカの角地域に対する制裁措置に関する行政命令を発出した。これにより、エチオピア政府、エリトリア政府、TPLF、アムハラ地方政府を対象にエチオピア紛争に責任を負う者への制裁措置が発動される。  同日付ファイナンシャルタイムズ(FT)によれば、この制裁措置によって、エチオピアが「アフリカ成長機会法」(AGOA)から排除される可能性が高まった。AGOAは米国の国内法で、適格と認められたサブサハラアフリカ諸国で生産された幅広い製品に、無関税での対米輸出を認めている。対象となる製品は7,000品目近くに上るが、とりわけ衣料品への効果が大きいことが指摘されている。一方、適格と認められるためには、市場経済化政策や法の支配、民主化や人権尊重などの政策を履行することが求められる(詳しくは、福西隆弘「開発政策としての優遇アクセスの成果と課題----マダガスカルに対する経済制裁を例に」『アフリカレポート』2013年を参照)。  エチオピアは2000年のAGOA成立以来適用を受けているが、この枠組みを利用して対米輸出を大きく伸ばしてきた。2020年にはAGOAの枠組みで2億4500万ドルの輸出がなされ、対米総輸出の40%以上を占めた。  先月末、米通商代表のキャサリン・タイは、アビィ・エチオピア首相の通商経済アドバイザーのマモ・ミレトゥ(Mamo Mihretu)とビデオ会談した際、エチオピア紛争に伴う人道問題について問題提起を行い、対応がなされなければチオピアをAGOAの適用対象から除外する可能性について言及した。そうした事態になれば、繊維、皮革産業を中心にエチオピアが大打撃を受けることは確実である。FT紙は、Calvin Klein やTommy Hilfigerといった、エチオピアから原材料を調達する西側企業も影響を受けると予測している。  マモはFT紙の取材に答えて、AGOAによって数万人の雇用が製造業部門に創出されており、その8割は若い女性だとして、AGOAから排除されればこれらの女性が雇用を失うと述べている。  AGOAは米国の国内法であるから、米国の一存で優遇措置を停止し、エチオピアに甚大な打撃を与えることができる。しかし、それがアビィ政権をティグライ紛争の終結に向かわせるかどうかは、全く不透明である。この内戦がアビィ政権にとって存亡の危機に関わることを考えれば、その見込みはむしろ小さいのではないだろうか。

個別ページへ

モロッコ総選挙でイスラーム主義政党の敗北

2021/09/12/Sun

 先週8日に実施されたモロッコの総選挙(国会、地方議会、市町村議会)で、与党の公正開発党(Parti de la justice et du développement: PJD)が大敗し、国王に近い独立国民連合(Rassemblement national des indépendants: RNI)や真正近代党(Parti Authenticité et Modernité: PAM))が躍進した。10日、国王のモハメド6世は、第一党となったRNI党首のアハンヌーシュ(Aziz Akhannouch)を首相に指名し、組閣を命じた。なお、暫定選挙結果については中東調査会のHPで見ることができる。  PJDは2011年の「アラブの春」の際に政権を獲得したイスラーム主義政党だが、今回の選挙では議席を125から13に激減させる惨敗を喫した(定数395議席)。内紛によって、指導者のひとりベンキーラーン(Abdelilah Benkirane)前首相をパージしたうえに、コロナ禍で国民の生活は逼迫した。さらに、2020年12月のイスラエルとの関係正常化によって、一般大衆の支持を失った。敗北を受けて、PJDの執行部は辞任を表明した。  第一党となったRNIの党首アハンヌーシュは、モロッコ最大の富豪と言われる。10日付ルモンド紙によれば、父親の代から石油小売業で蓄財し、自身はカナダでMBAを取得した後にコングロマリットのAkwa Groupを設立して、不動産やメディアを含めて事業を拡大した。もともと、前国王ハッサンII世の右腕として長年内相を務めたバスリ(Driss Basri)に近かったが、バスリが現国王によって排除された後も王宮との関係を維持し、国王と親密な関係を保った。第二党のPAMも王党派であり、モロッコはイスラーム主義政党主導から王党派主導へと、政治の中心が移動することになる  同じマグレブのチュニジアでも7月にイスラーム主義政党が政権から排除されているが、こうした動きがどのような地域的含意をもつのか、注意深い観察が必要である。

個別ページへ

アフリカへの新型コロナワクチン提供

2021/09/11/Sat

 9日、アフリカ連合(AU)直属の機関であるアフリカ疾病対策予防センター(Africa-CDC)のンケンガソン(John Nkengasong)局長は、アフリカに新型コロナワクチンが供給されていないとして、約束を守らない主要国首脳を批判した(10日付ルモンド)。アフリカでは、13億人の人口のうちワクチン接種を完了した人はわずか3.18%に留まる。G7首脳は6月のサミットで、発展途上国に対して、向こう1年間にコロナワクチン10億回分を提供すると約束した。それにもかかわらず、その後もワクチン提供が進まず、それに対する対応が十分されないまま、三回目のブースターに向けた流れができつつあることを批判したものである。  インドでデルタ株による感染爆発が起きてから、COVAXを通じたアフリカへのワクチン提供が滞っている。アフリカではこれまで他地域に比べてCOVID-19の影響が比較的軽かったが、最近では死者数も増え累計で20万人を超えている。主要先進国だけでコロナを抑え込むことはできない。G7は約束を誠実に履行し、コロナがグローバルな不平等をさらに拡大させないよう努力してほしい。

個別ページへ

ギニアのクーデタ続報

2021/09/08/Wed

 ギニアでは、クーデタを挙行した軍部が「団結・開発国民評議会」(Comité National du Rassemblement et du Développement: CNRD)を組織し、新たな統治体制の確立に向けて活動を開始した。もはや権力移行は確実である。西アフリカでは、4月のチャド、5月のマリに続き、軍による政治への介入ということになる。  クーデタに対しては、即座に国連、AU、ECOWAS、フランスなど、国際社会が非難声明を出した。当然の動きである。一方で、こうした事態に至ったアルファ・コンデ前大統領の責任を問う声も強い。ファイナンシャルタイムズ(FT)紙は、8日付の社説で、自分の都合のよいように憲法を改正し、三選禁止条項を無効にしたコンデは、民主主義の価値を減じることによって今日の状況を招いたと、厳しい意見を述べている。報道も、ギニア国内でクーデタを歓迎する市民が多いことを伝えている。  新たに権力を握ったドゥンブヤ(Mamady Doumbouya)という人物について、7日付ルモンド紙が経歴などの情報を提供している。彼は特別部隊(Groupement de forces spéciales)のトップで、2018年、その職にコンデ大統領自身の手で任命された。彼は以前フランス軍外人部隊に所属し、軍曹の地位にあった。フランス人の妻を持ち、子供が3人いる。外人部隊に契約通り5年勤め、2011年にいったんコナクリに戻ったが、それからフランスの軍事教練学校(école de guerre)で7年を過ごした。その間、アフガニスタン、ガボン、中央アフリカでフランス軍の活動に従事した経験がある。パリ第2大学(Panthéon-Assas)で「国防・産業動態」の修士号を取得している。  特別部隊は大統領警護を主要任務としており、そのメンバーの多くは、コンデと同じくマリンケ人であったという。マリンケは、プール(フラニ)人と並んで、ギニアの人口の多くを占めるエスニック集団である。地域やエスニシティに依拠して大統領の安全保障を確保しようとの意図があったのだろうか。それは無意味なことであった。  6日付FTによれば、CNRDは同日、外国人投資家に向けて、通常通り業務を行うよう要請した。ギニアは世界第二位のボーキサイト生産国であり、世界供給量の4分の1を占め、主に中国とロシアに輸出している。6日、ボーキサイト価格は10年来の最高値を付けた。ドゥンブヤは、鉱山採掘地帯での戒厳令は解除するとし、また輸出向け港湾業務も通常通り行うとして、鉱業生産に政治的影響が及ばないよう、配慮を示した。経済面への影響をなるべく抑えたいという意図の現れてあろう。逆に言えば、経済面で国民の不満が相当強いことを物語っている。最近、アフリカで目立つ政治的混乱が、パンデミックの影響を受けていることは間違いない。

個別ページへ

ギニアでクーデタか

2021/09/06/Mon

 5日付ルモンドによれば、ギニア軍特別部隊は、同日公開したビデオにおいて、アルファ・コンデ大統領の身柄を確保したとして、国家の諸制度を停止・解散すると発表した。このビデオはAFP特派員向けに送られると同時に、ソーシャルメディアでも流された。国防相はクーデタの試みは阻止されたと述べたが、その後に軍が戒厳令を発布した。情報は依然混乱しているが、軍が政権を掌握した可能性が高い。  クーデタの首謀者はママディ・ドゥンブヤ(Mamady Doumbouya)中佐で、現地時間午後4時ごろに国営放送にギニア国旗をまとって登場し、社会・経済状況の混乱、民主的規範の無視、財政破たんなどをその要因として列挙した。クーデタを主導する軍人に囲まれた平服のコンデ大統領が、ひどい扱いを受けているかと問われ、回答を拒否するシーンを映したビデオも出回っており、コンデがクーデタ首謀者側に捕らえられたとの見方が広がっている。首謀者側は日曜日に放送された声明の中で、閣僚等主要組織の責任者に対し、月曜日現地時間11時に集まるよう指示しており、今後の対応が示されると見られる。  ギニアの状況に対して、国連のグテーレス事務総長、ECOWAS、フランス外務省は直ちに非難する声明を発表し、コンデ大統領の解放を要求した。  ギニアは高品質の鉄鉱石を豊富に産出する国だが、独立後はセク・トゥーレ、ランサナ・コンテと長期独裁政権が続き、2010年に初めての民主的な選挙を経てアルファ・コンデが選出された。コンデは、独裁政権下で民主化を訴えて逮捕され、死刑判決を受けた経験もある。しかし、大統領就任後は権威主義的な傾向を指摘され、2020年3月には憲法を改正して自らの3期目の任期を可能としたことで野党から批判を浴びていた。

個別ページへ