旱魃に苦しむ北東部アフリカとは対照的に、西アフリカでは多雨と洪水の被害が報告されている(27日付ルモンド)。ナイジェリアは、全土にわたって洪水の被害を受けている。特に北部の被害が深刻で、過去10年間で最悪と言われる。300人以上が死亡し、農作物が甚大なダメージを被った。ナイジェリア危機管理庁は、36州のうち29州が洪水による被害を受けたと発表している。ニジェールでも、ニジェール川の氾濫により159人が死亡、20万人以上が被害を受けた。チャドでは国土の半分以上が洪水の影響を受け、国連によれば、被災者数は62万人を超えている。
広範囲の洪水被害は、農業生産に大きなダメージを与えるであろう。既に深刻さを増している食糧危機への悪影響が懸念される。
(武内進一)