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今日のアフリカ

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コンゴ東部紛争へのルワンダの関与

2022/08/06/Sat

 コンゴ東部でルワンダ系住民を主体としたM23の反乱が続くなか、ルワンダ軍の関与を裏付ける国連専門家委員会報告書がリークされ、4日ルモンド紙など各社が一斉に報じた。
 同報告書は、ルワンダ軍がコンゴ領内で、FDLRの拠点を攻撃するとともに、M23を支援していると主張している。FDLRは、もともとは1994年のルワンダ・ジェノサイドに加担した人々(いわゆるフトゥ系)を中核とする武装勢力で、20年以上コンゴ東部で活動を続けている。M23の中核は、いわゆるトゥチ系である。(コンゴ東部における武装勢力の構成は非常に複雑で、トゥチ、フトゥといったエスニシティだけで説明できないことに注意する必要がある。)ルワンダは常にFDLRが安全保障上の脅威だと主張してきた。ただし、FDLRによるルワンダ本国への攻撃は、ここ20年ほど行われていない。
 今回の報告書では、M23陣営にいるルワンダ兵の写真、コンゴ領内を行軍する数百人の兵士の映像、ルワンダ軍が提供し制服や装備品を利用するM23兵士の写真などが含まれているという。
 これに対してルワンダは、強く反発している。4日、政府スポークスパーソンのマコロ(Yolande Makolo)は、これは最近高まっている国連平和維持部隊Monuscoへの批判をかわすための言いがかりだと主張する一方、「ルワンダは国民と領土を守る正当な権利と主権を持っており、継続するカタストロフを傍観することはあり得ない」とも述べた(5日付ルモンド)。
 ルワンダは2012年にもM23への支援を国連から指摘され、この時は西側主要国が援助を止めるなどの対応をとった。来週、ブリンケン米国務長官ががキンシャサ、キガリを訪問する予定と報じられているが、西側各国の対応が注目される。