10月25日に起こったスーダンのクーデタに対する周辺国の影響について、報じられている。
抵抗を続ける市民から、(クーデタを起こした軍のトップである)ブルハーンは(エジプトの)シーシーのようにやりたいのだ、という声が聞こえる(31日付ルモンド)。彼はエジプトにいた経歴もあり、エジプト軍部とは緊密な関係があった。エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、イスラエルなどが事前にクーデタにゴーサインを出していた可能性は高く、今般のクーデタは湾岸諸国の支援を受けたエジプトの勝利だと27日付ルモンドは報じている。
湾岸諸国がアフリカへの影響力を拡大しつつあることは、様々な形で指摘されている。サウジアラビアやUAEは、一貫して軍部や保守勢力を支援しており、エジプトのシーシー政権や、リビアのハフタル将軍はその代表格である。チュニジアのサイエド政権やモロッコも支援対象になっており、最近のモロッコとアルジェリアの関係悪化の背景としてこの影響を指摘する声もある(31日付ルモンド)。
トルコによるアフリカ諸国への接近については先にこの欄でも述べたとおりだが、中東諸国間の対抗関係がアフリカに持ち込まれる危険性を考えねばならない。