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今日のアフリカ

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トルコ大統領アフリカ歴訪

2021/10/21/Thu

 トルコのエルドアン大統領は、17日からアンゴラ、トーゴ、ナイジェリアのアフリカ3か国を歴訪した。この歴訪では、経済関係の深化が謳われたが、トルコの軍需産業を支える機関Savunma Sanayii Baskanligiの職員が随行したと報じられ(18日付ルモンド)、様々な思惑が絡んでいたことが窺える。
 最初の訪問国アンゴラでは、貿易の大幅な増額を目指すとの目標が示された。最近、トルコ航空がイスタンブール・ルアンダ間に就航したこともあり、両国の経済関係の深まりが見込まれる。アフリカ中部諸国のなかでは、エルドアンは9月にDRCのチセケディ大統領に会って、ギュレン派の取り締まりへの協力に感謝を伝えている。
 10月11日、ナイジェリアのザムファラ 州は、トルコの民間企業から武装ドローン2機を購入すると発表した。トルコの武装ドローンはリビア内戦でも用いられたが、エチオピアやモロッコにも提供しているようだ。武器取引は、トルコとアフリカ諸国の関係深化の重要な要因になっている。
 トーゴ訪問の際、エルドアンは、ニャンシンベ大統領に加えて、ブルキナファソ、リベリアの指導者とも会うことが予定されている。トルコは西アフリカ各国との関係を深めつつあり、2020年7月、ニジェールがトルコと防衛協定を締結している。専門家によれば、政情不安はトルコのような新興国にとって食い込みを図る好機となる。2020年8月、マリでクーデタが勃発した直後、トルコ外相が反乱軍側と面会した。
 こうしたトルコの動きは、西側にとって懸念材料である。今年1月、パルリー仏軍事相は議会において、トルコがサヘルで「支配力を強化し、間隙を縫って浸透し、我々の信頼を貶めようとしている」と述べた(18日付ルモンド)。