10月31日、南スーダンの首都ジュバ市内のジョン・ギャラン廟前広場において、平和のための式典が開催された。同式典はリエク・マシャール元第一副大統領の約2年ぶりとなる南スーダン帰還にあわせて開催された。マシャールは、2016年7月に戦闘が勃発し、命からがら国外に逃れて以来はじめてジュバに戻ったことになる。
同式典でキール南スーダン大統領とマシャールは、先月エチオピアで署名した新たな和平合意(R-ARCSS)の履行を宣言した。現地紙によれば、この式典には、バシール・スーダン大統領や先日新たに任命されたエチオピア初の女性大統領であるサハレ=ウォルク・ゼウデ及び、モハメド・ソマリア大統領といった近隣国の首脳レベルの要人が参列した。キールは演説において、ここ5年に及ぶ紛争が国民に苦難を強いていることに対し謝罪し、合意履行への決意を述べた。マシャールも履行への意思を表した。
この式典を皮切りに、和平プロセスは履行局面へと本格的に移行することとなる。2015年の合意(ARCSS)においては、署名後わずか1年を待たずにジュバが戦火に包まれた。今般、和平合意が復活し、再度締結に至たり、履行局面へと移行することは、地域機構をはじめとする関係国の粘り強い関与の成果でもあり、喜ばしいものであることに違いない。他方で、首都の治安維持の問題や、地方で継続する武力衝突への対処など、同じ轍を踏まないために解決すべき問題は山積しているようにも思われる。