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今日のアフリカ

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ルワンダによるモザンビークへの派兵

2026/04/07/Tue

 ルワンダ軍による対モザンビーク派兵の帰趨が注目されている。ルワンダ軍は、モザンビーク政府との二国間協定に基づいて、同国北部のカボ・デルガド州に約2000人の部隊を派遣している。同州ではトータルエナジーズ(仏)やエクソンモービル(米)といった企業によって大規模な液化天然ガス開発プロジェクトが計画されているが、イスラム急進主義勢力の活動によって中断を余儀なくされた。ただし、ルワンダ軍の派兵もあって、最近では治安状況が一定程度改善し、計画の再開が見込まれている。

 一方、ルワンダ軍に対してはコンゴ民主共和国東部への軍事介入が指摘され、3月には米国が制裁対象とした。EUは2022年、ルワンダ軍に2000万ユーロを提供したが、今年5月以降は新たな資金を提供しないことを決めた。これに対して、ルワンダ外相は、EUからの資金が停止されれば部隊を撤収すると反発している(3月14日付New Times)。

 国際危機グループ(ICG)のアナリストは、ルワンダは実のところ、モザンビーク派兵に際してEUの資金を必要としていないと述べている(3月27日付ルモンド)。そもそも2000万ユーロでは、2000人の派兵経費の一割程度しかカバーしない。ルワンダは、政権与党RPF系の企業Crystal Ventures 社を通じてモザンビーク経済に投資している。軍の進出によって、現地でビジネスを展開しており、撤退に利益はないという。「ルワンダは援助は必要ないが、(EUからの支援を通じて)モザンビークへの派兵に正統性を求めている」とアナリストは分析している。

 ルワンダは国連PKOに積極的に参加し、現在は最大の兵員提供国のひとつである。国連PKOへの参加を通じて、軍の装備が近代化され、軍事的能力を高めたとの指摘もある。「部隊を撤収する」というルワンダ外相の発言が単なる脅しなのかどうかは、遠からずはっきりするだろう。(武内進一)

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