21日、35回目のナミビア独立記念日に、同国初の女性大統領ネトゥンボ・ナンディ=ンダイトゥア氏が就任した。
ナンディ=ンダイトゥア氏は、第3代大統領のハゲ・ガインゴブ氏の死去に伴い2024年2月からナミビアの大統領代行を務めていたナンゴロ・ムブンバ氏の後任となる。
ナミビアでは昨年11月の大統領選挙で、1990年の独立以来政権を握ってきた南西アフリカ人民機構(SWAPO)が勝利した。同選挙で、ナンディ=ンダイトゥア氏は58%の票を獲得し、2位で25.8%を獲得した独立変革愛国党(IPC)のパンドゥレニ・イトゥラ氏を引き離した。しかし、SWAPOは35年間の政権下で着実に支持を失っている。昨年の世論調査では、同党が権力を失うか、かつての解放運動組織である南アフリカのアフリカ民族会議のように連立政権を組むことを余儀なくされる可能性が示唆されていた。最終的に、同党は議会投票の53%(96議席中51議席)を獲得し、かろうじて勝利した。
ナンディ=ンダイトゥア氏は現在72歳で、アパルトヘイト下の南アフリカからの独立を目指す解放運動に参加してから約60年を経て、大統領職に就いた。彼女は、リベリアのエレン・ジョンソン・サーリーフ氏、マラウイのジョイス・バンダ氏、タンザニアのサミア・スルフ・ハッサン氏に次ぐ、アフリカにおいて数少ない大統領職に就いた女性議員の一人である。
就任演説でも、男女平等と女性のエンパワメントについて強調し、2002年に同党が党規約を改正し、党のあらゆる組織における指導的地位に男女半々の代表者を置く方針(50/50方針)を決定したことに言及した。この方針の結果、ナンディ=ンダイトゥア氏を含め多くの女性が政府の要職に就くようになった。演説では、自身が女性であるから選択されたのではなく、実力によって選出されたことを強調し、「私が大統領に選出されたことは、あらゆる立場にある女性たちに、自らの存在をアピールするよう勇気づけることになるだろう」と述べている。
副大統領には、女性のルイカ・ウィットブーイ氏が任命され、新内閣を構成する14名の大臣のうち9名が女性である。3つの権力機関のうち2つは女性が主導し、ナンディ=ンダイトゥア氏が行政府を、サーラ・クーゴンゲルワ=アマディラ氏が立法府の議長を務める。アフリカの若い国において、女性が率いる新しい内閣が、これからどのように舵をとるのか注視される。(宮本佳和)
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