20日(土)、新大統領に選出されたチセケディの就任式が挙行された。首都キンシャサで行われた就任式には、約15人のアフリカ各国首脳が参列した(Radio France Internationale)。
昨年12月20日に実施された選挙は、投票開始時間の遅れや投票用機器の故障など、多くの問題や混乱が見られ、結局投票は翌日にも継続して行われた。選挙実施をめぐる混乱を野党が批判する中で、選挙管理委員会(CENI)は、12月31日にチセケディの当選を発表した。投票率は43%。得票率は、チセケディが73.34%、野党のカトゥンビが10.08%、ファユルが5.3%、ノーベル平和賞を受賞したムクウェゲは0.22%に留まった。
主要野党はこの選挙を認めず、やり直しを求めたが、呼びかけたデモはことごとく政府側に抑え込まれ、大規模な動員はできなかった。18日(木)にも、カトゥンビやファユルは就任式の日に抗議デモを呼びかけたが、治安部隊が広く展開して動員を阻止した。結局、ゴマでタイヤが燃やされた程度であった。
カビラ前大統領が強い実権を保持する状況下でスタートした5年前とは違い、チセケディ政権の二期目は、現大統領が政治権力を掌握し、国内ライバル勢力の抑え込みに成功した形で始まった。最大の課題は、東部の紛争である。12月半ばから、南部アフリカ開発共同体(SADC)の部隊の展開が始まった。M23との戦闘が激しさを増し、ルワンダとの緊張が高まるなか、選挙後の動きが注目される。
(武内進一)