• アクセス
  • English
  • 東京外国語大学

今日のアフリカ

今日のアフリカ

UK・アフリカ投資サミット

2020/01/25/Sat

1月20日(月)、ロンドンでUK・アフリカ投資サミットが開催され、ナイジェリアのブハリ、エジプトのシーシ、ルワンダのカガメなど、15人のアフリカ諸国元首が出席した。FOCACやTICADに比べればその数は少ないが、ブレグジット後を睨んだ動きとして、広く関心を集めた。
 2018年にテレサ・メイが久しぶりにアフリカ訪問をして以来、英国のアフリカ回帰は顕著である。1月21日付ファイナンシャルタイムズ紙によれば、サミットでは総額65億ユーロに達する27の投資契約が調印された。日本のTICADや中国のFOCACをはじめ、ロシア、トルコ、ブラジルなど、近年多くの国がアフリカ投資の好機ととらえ、アフリカ元首を招いてサミットを開催しているが、これもそうした流れに沿ったものである。
 サミットでジョンソン首相は、英国政府が石炭火力発電輸出への支援を止めると宣言した。英国としては、貿易投資一辺倒ではなく、グリーンテクノロジーの指導者であることを示したいのであろう。サミットのメッセージは英国・アフリカ間の貿易促進だが、必ずしも順調ではない。アフリカとの貿易額で見れば、EU27か国は中国の2倍以上、英国の14倍の規模となる。英国の対アフリカ投資額は大きいが、2003年以降はその40%以上が石炭、石油、ガスプロジェクトであった(1月21日付ファイナンシャルタイムズ)。グリーンテクノロジーを謳うほどに、実態は伴っていない。
 アフリカが拡大する市場であることに疑いないが、実際そこに食い込むのは、どの国であってもそれほど簡単ではない。ブレグジットの後、英国がアフリカとの経済関係をどのように深めていけるのか、現状は依然不透明と言わざるを得ない。