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今日のアフリカ

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南スーダン反主流派勢力の統合

2018/05/09/Wed

南スーダンにおいて、5月7日、タバン・デン第一副大統領が発表したところ、同氏率いる反主流派勢力(スーダン人民解放運動野党派:SPLM-IO)はスーダン人民解放運動(SPLM)に公式に統合される模様。

タバン第一副大統領によるこの発表は、今月17日にエチオピアで開催予定の「政府間開発機構(IGAD)」(東アフリカの準地域機構)会合に先立つかたちで行われた。先月末には、「キール大統領は辞任すべきだ」というエチオピア前首相の発言がメディアで報じられたが、今般のSPLM統合の決定は、南スーダン政府による主体的な取組みが進行していることを、周辺国や国際社会にアピールする効果を持ちうるものである。また、これが達成されれば、キール政権はより強固なものとなる可能性もある。

この主体的な取組みには、和平に対する前進と評価する向きもある。他方で、この実施プロセスが今後どのような経緯を辿るかについては注意が必要だろう。また、現下の南スーダンで、武力闘争を展開するアクターは多岐に及び、この枠組みに含まれない紛争当事者も少なくないため、和平に向けた努力がなおも必要となることに変わりはない。