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今日のアフリカ

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ニジェールでクーデタ

2023/07/27/Thu

 27日付ルモンドによれば、26日、ニジェールでクーデタが発生した。この日、朝からバズーム大統領が大統領警護隊の一部に監禁されたとの報道が流れていたが、深夜になって国営テレビに軍服姿の男たち10名が現れ、そのなかでアマドゥ・アブドラマン上級大佐(colonel major Amadou Abdramane)が、バズーム政権転覆を発表した。彼らは、祖国防衛国民評議会(Conseil national pour la sauvegarde de la patrie: CNSP)と称している。クーデタの理由については、「治安面の悪化と経済社会的なバッドガバナンス」を挙げている。
 依然不明な点が多いが、サヘルの治安にとって、とりわけ西側諸国にとって、いっそうの打撃となることは避けられない。マリ、ブルキナファソ、ギニアでクーデタが相次いだ後、ニジェールはこの地域における西側諸国の拠点になっている。マリから撤退を強いられたフランス軍もニジェールを本拠にしており、今年になってブリンケンが史上初めて米国務長官としてこの国を訪問した。
 バズーム大統領監禁の報を受けて、国連を始めとする国際社会はこれを強く批判する声明を発表し、Ecowasがタロン・ベナン大統領を派遣して仲介を試みているところで、CNSPがクーデタを宣言した。まだ誰がCNSPを代表するのかも発表されていないが、この政権がどのように西側の治安維持政策に向き合うのかに注目が集まるだろう。
(武内進一)