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今日のアフリカ

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ケニア大統領選挙と債務問題

2022/08/08/Mon

 9日の大統領選挙を前に、ケニアでは選挙戦の最終日となった。5回目の挑戦となるオディンガ(77歳)と現職副大統領ルト(55歳)の事実上の一騎打ちである。現職大統領のケニヤッタがオディンガ支持に回ったことで、オディンガ有利との前評判が高い。先週実施された世論調査の結果は、オディンガが47%、ルトが41%であった(8日付ファイナンシャルタイムズ)。ルトは農民の息子であることを強調し、貧困対策の充実を主張している。これは、いずれも政治家二世であるケニヤッタとオディンガへの批判でもある。
 いずれが大統領に就任するにせよ直面せざるを得ない深刻な課題として、対外債務がある。ケニヤッタは在任中にメガ・インフラ・プロジェクトを建設した。ナイロビ・モンバサ間を結ぶ「標準ゲージ鉄道」(Standard-Gauge Railway: SGR)はその代表である。。建設費470億ドルのうち70%を中国輸出入銀行が出資し、ケニヤにとっては独立後最大のインフラプロジェクトとなった。しかしながら、今日利用者は少なく、この3年間で2億ドルの営業損益を出している。
 今年5月に完成したExpresswayもそのひとつである。国際空港と首都を結び、渋滞を避けて20分でナイロビ市内に到着することができる。しかし、1回の利用料金が300シリング(約2.5USドル)かかることもあり、利用は進んでいない。このプロジェクトは、ケニア政府とChina Road and Bridge Corporation (CRBC)とのPPPで建設された(8日付ルモンド)。
 ケニアの債務は10年間で4倍に膨らみ、GDPの70%に達した。対外債務の3分の2は中国向けである(8日付けルモンド)。IMFは同国を重債務リスク国に指定した。アフロバロメーターの調査によれば、中国から借金して大規模インフラに投資をし過ぎたという意見が、ケニアでは特に強い(3日付FT)。今年に入って、中国がアフリカへの融資により慎重な姿勢を取るようになっているとの報道が目立つが(1月11日付けFT、同日付ルモンドなど)、ケニアやザンビアでの経験がその背景をなしている。ケニア新政権は、こうした状況のなかで債務交渉に臨むことになる。