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今日のアフリカ

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セネガル下院選挙で政権与党敗北

2022/08/07/Sun

 7月31日、セネガルで下院選挙が実施され、政権与党が大幅に議席を減らした。マッキー・サル大統領の政権与党連合BBY(Benno Bokk Yaakaar:ウォロフ語で「希望のための統一」)は、前回2017年選挙から43議席減の82議席にとどまり、総議席(165)の過半数を割り込んだ。一方、南部ジガンショール市長のソンコ(Ousmane Sonko)が指導する政党連合YYW(Yewwi Askan Wi:ウォロフ語で「人々の解放」)が56議席を獲得。YYWと同盟関係を組むWallu Sénégal(ウォロフ語で「セネガルを救え」。ワッド前大統領が指導)が24議席を獲得したため、合わせて80議席を確保した。残る3議席の行方によって、議会運営の多数派が決まる緊迫した状況になっている。
 選挙は大きな暴力もなく遂行され、ECOWAS監視団は選挙が「平穏かつ透明」であったと評価して、各党に選挙結果に異議申し立てをしないよう勧告した。しかし、野党側は、サル大統領の地元である北部地域で選挙不正があったと主張している(4日付ルモンド)。
 今後、多数派工作が活発化することになろうが、政権与党が中間選挙でここまで大敗したのはセネガル政治史上初めてのことである。今回は、2024年2月に予定されている次期大統領選挙前に実施される最後の下院選挙で、政権与党は様々な形でYYWの運動を妨害してきた。サル大統領は現在二期目だが、三期目を狙う意欲もあったとされる。今回選挙での政権与党の大敗は、サル政権にとって大きなダメージとなろう。