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今日のアフリカ

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エチオピアで停戦の動き

2022/03/27/Sun

 2020年11月以来内戦が続くエチオピアで、停戦が現実味を帯びてきた。24日政府は、北部ティグライ州への食料援助を促し、同州が置かれている封鎖状態を解除するために、「一方的停戦」を実施すると宣言した。これを受けて25日、反乱軍側も停戦を尊重すると発表した。
 国連やAU、米国やEUなどは、この間一貫して紛争当事者に停戦と交渉を促していた。AUは特使として派遣されたオバサンジョ前ナイジェリア大統領が調停に当たっていたし、米国も先週サターフィールド(David Satterfield)「アフリカの角」特使がエチオピア入りしていた(25日付ファイナンシャルタイムズ)。
 WFPによれば、エチオピア北部では900万人が食料援助を必要としており、特にティグライ州では460万人(人口600万人の83%)が食料安全保障が脅かされた状態にある(25日付ルモンド)。実効的な停戦が強く望まれる。
 エチオピア政府は、昨年6月28日にも一方的停戦を宣言したことがある。この際には「耕作期の終わりまで」を停戦期限とし、その後戦闘が再開された。昨年11月にはTPLFがアムハラ州、アファル州で攻勢を強め、首都200kmの地点に迫ったが、12月にはティグライ州に撤退した。年明け以降、アビィ政権はTPLF要人を含む反政府勢力の政治犯を釈放するなど、歩み寄りの姿勢を見せていた(1月10日付ルモンド)。ただし、その後も政府側がドローンでティグライ州を空爆するなど、すんなりと停戦に向けて進んできたわけではない。今回の両者の動きが、実効的な停戦へと進展することを望みたい。