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今日のアフリカ

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ブルキナファソのクーデタ

2022/01/30/Sun

 28日、地域機構「西アフリカ経済共同体」(ECOWAS)は、ブルキナファソの加盟国資格を停止した。これは、24日に起こったクーデタに伴う措置で、予想された結果である。ECOWASは同時に、クーデタ以降自宅軟禁措置にあるとされるカボレ大統領の解放を求めた。
 反乱軍の指導者ダミバ(Paul-Henri Sandaogo Damiba)中佐は41歳で、北部ウアヒグヤ(Ouahigouya)の反テロ部隊司令官であった。パリの軍士官学校(École de guerre)出身で、犯罪科学の修士号を持つ(27日付ルモンド)。クーデタ後は、国際的なコミットメントは遵守するとして、国際社会にクーデタへの理解と政権への支援を呼びかけた。
 これまでの報道では、クーデタを起こした反乱軍への民衆の支持は高い。カボレ政権の下で治安悪化が続き、経済停滞への改善が見られなかったために、とりわけ若年層に失望が広がっていた。クーデタによって、軍が何とかしてくれるのではないか、との期待が広がっている。ダミバ中佐をこの国の英雄トマ・サンカラ(1949-87)に例える雰囲気もあるようだ(28日付BBC Focus on Africa)。
 ブルキナファソのクーデタには、明らかにジハディストの攻撃が影響している。治安悪化は政権に対する民衆の怒りを募らせただけでなく、適切な資源配分を受けていないと感じる軍部の不満も募らせた。今回のクーデタは、2012年にマリでトゥーレ政権が倒れた際の状況に似ている。その後のマリの状況を考えれば、この国に楽観的な見通しを持つことは当面難しい。