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今日のアフリカ

今日のアフリカ

コロナ禍のダンスの挑戦

2021/08/29/Sun

今年で23年目を迎えるアフリカでもっとも古いコンテンポラリー・ダンス・フェスティバル「JOMBA!」が、2021年8月24日から9月5日までオンラインで無料配信されている(JOMBA!公式サイト)。例年、南アフリカのダーバンの劇場で行われていた本フェスティバルは、COVID-19の流行を受けてオンラインでのスペースを開拓しており、今年は2回目のオンライン開催だ。舞台を前提としていたダンスのオンラインへの移行は容易なことではないが、それぞれの国やコンテクストで行われる撮影が作品に新たな意味を付与するなど、新しく進化したダンス作品を生み出すことにもつながっているという(Conversation 8月24日)。コロナ禍で多くのイベントが中止され、アフリカ諸国においてもアーティストは困難な立場にあるが、このような動きによって芸術が存続し、新たな地平が開拓されていることは希望も感じさせてくれる。

 「Border Crossings」をテーマにした今回のフェスティバルでは、大陸を超えたダンスやセミナーなどが映像配信されるが、特に8月30日7PM(南ア時間)から配信される「JOMBA!&Crossings」や8月31日7PM(南ア時間)から配信される「African Crossings」は、アフリカ諸国のコンテンポラリーダンスの今を伝える作品であることが期待される(プログラム数日間の録画配信有)。現地に行かずともフェスティバルが味わえる貴重な機会を活かして、アフリカのダンスの今に触れてみるのはどうだろうか。

 また、アフリカのコンテンポラリーダンスについては、「Movement (R)evolution Africa」(2007年制作65分/有料・英語字幕のみ)というドキュメンタリー映画もオンラインで配信されている。アフリカのダンスに関わる外からのステレオタイプと闘いながら、新たな表現を模索するダンサーたちの葛藤と創造力を描き出したもので、ダンスの文脈からだけではなく、脱植民地化という文脈からも観ることができる作品だ。興味がある方は合わせて視聴されたい。