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今日のアフリカ

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タンザニア大統領死去

2021/03/18/Thu

 17日、タンザニアのハッサン副大統領は、同日午後6時にマグフリ大統領が死去したとTV演説で伝えた。マグフリは61歳。2月27日以来公の場に姿を見せず、健康不安説が流れていた。ハッサン副大統領によれば、マグフリは心臓に持病があり、ダルエスサラームのEmilio Mzena病院で死去した。
 マグフリは、2月27日を最後に公の場に姿を見せておらず、健康不安説が流れていた。先週には、ナイロビの病院に移送されたという情報や、Covid-19に感染したとの噂が流れた(3月10日付ファイナンシャルタイムズ、11日付ルモンド)。これに対して政府は、大統領の健康に問題はないと反論していた。
 マグフリは、2020年10月に大統領に再選されたばかりである。2015年に政権に就いた彼は「ブルドーザー」の異名を取り、汚職摘発などを精力的に進めたが、一方でメディアへの規制を強めるなど強権化が進んだとの指摘も多い。また、新型コロナウイルス感染症に対しては、一貫して軽視する態度に終始し、、昨年5月以降は感染者数の発表も行ってこなかった。
 マグフリの死去によりハッサン副大統領が大統領に就任する見通しだが、この間マグフリの健康に関する情報が何も発表されなかったで、政権内に権力闘争があったのではないかとの見方が出ている。野党のなかには、大統領は先週亡くなっていたと述べる者もいる(18日付FT)。マグフリは強い指導力を持った政治家であり、敵も多かっただけに、彼の死がどのような政治的影響を及ぼすのか、注目される。