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今日のアフリカ

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ラマポサ大統領、先進国による「ワクチンの独占」を非難

2021/01/28/Thu

 ラマポサ南ア大統領は、26日、ビデオ会議で開催されたダヴォス会議にプレトリアからビデオメッセージを送り、新型コロナウイルス感染症のワクチンに関する「ナショナリズム」を非難した(27日付ルモンド)。この声明は、WHOのテドロス事務局長の主張と重なる。テドロス氏は、先週、コロナワクチンへのアクセスが富裕国に偏っており、世界が「破局的な道徳的な破壊」に瀕していると警告した。「富裕国の若く、健康な成人が、貧困国の医療従事者や老人より先にワクチン接種を受けるというのは正しくない」と彼は述べている(19日付ファイナンシャルタイムズ)。
 途上国向けにCovid-19のワクチンを提供する仕組みとしてCovaxがあるが、十分な支援が集まっていないという。ラマポサも、Covaxだけでは、感染拡大が十分抑制できないだろうとの見通しを示している。南アはアフリカでCovax以外のルートでもワクチンを確保しようとしており、アストラゼネカ社と直接交渉してワクチンを入手した。しかし、その価格は、EU諸国の入手額よりも2.5倍も高かったとルモンド紙は報じている。
 途上国に十分な量のワクチンが供給されなければ、結局はCovid-19の終息が遅れる。ここで先進国側がどのような政策をとるか、効果的な国際協調ができるのかが、きわめて重要な意味を持つことになろう。